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テーマ:お勧めの本(7221)
カテゴリ:小説 ミステリ
チェーン・ポイズン
作者:本多孝好 あー面白かった! 誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々を送る36歳のOL。 簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。 公園で「死にたい」とつぶやくОLに、謎の人物が声をかけてくる。 「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」 自殺でも一年以上保険金を掛ければ出るものもある。これは親にあげよう。OLは早速会社を辞め、一年後の死に向けて日々を送る。 通りがかりに声を掛けられ「百合の家」という児童養護施設でボランティアをはじめる。「おばちゃん」と慕われ、彼女は生きる意味を少しずつ見出す。百合の家の経営状態はかなり厳しいが、自分が自殺すれば2000万円を提供できるし… そして、もうひとつの視点は週刊誌の記者。彼はアルカロイド系の薬物で自殺した3人のつながりを追っていた。 元ОLと、記者の視点が交互になって描かれるが、最後にはあっと驚くどんでん返し、というか種明かしがあった。ミステリとしての完成度はちょっと甘いところもあるのかもしれないが、一人の女性の心の変化という点で読めば非常に面白く、よい作品だと思う。 「苦しまずに、眠るように死ねる薬」。自殺したくはないけれど、一個ぐらい持っててもいい気がする。市販されたら大変な売れ行きになるでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年01月08日 09時18分20秒
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