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カテゴリ:心理学
著者:信田さよ子 カウンセラーである著者が、カウンセリングの場で出会う父親たちを目の当たりにした経験や団塊世代の男性の生き方から考察した「父の問題点」について、そして「父と息子」の関係について述べている。 「はじめに」には、本書を書く目的のひとつは、男性が結婚して家族を作ることに希望を持てるようになることだとある。 描かれている内容はDV、虐待、ひきこもりなど負の部分だけれど、リスク要因を知悉することでリスクを回避することにつながるだろうと。 カウンセリングの場で出会った父親は、「感情を語れない」「息子の可能性を囲い込む」など。また、尊敬されるのはまっぴらと、子どもと友達になろうという父親ナドナド。 「ホモソーシャル」という項目が面白かった。ホモファビア(男性同性愛嫌悪)とミソジニー(女性嫌悪)を基本的特徴とする男性同士の強固な連帯関係のこと。父と息子がそれまでの反感を超えて「男同士」という一転で絆を形成する様はホモソーシャルであり、DVなどの世代間連鎖の背景にあるという。 こうしたホモソーシャルな関係が企業や国会など、日本社会のあらゆる場面で見られ、男性にとって既得権益を保証するものになっているとか。この指摘が興味深かった。 男性にとって、ホモソーシャルな社会から距離をとって生きることは自覚的でなければ難しいとか。 権威や沽券にしがみつこうとすることは幸せな家庭を築くには逆効果だという指摘もあった。 男性の皆さんに是非読んでみて欲しい本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年07月07日 06時51分48秒
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