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カテゴリ:小説 ミステリ
作者:乾くるみ いつだったか、このブログで『夏への扉』というSF小説を紹介したことがある。 SFはめったに読まない私だけれど、愛があって面白い作品だった。 この『スリープ』は『夏への扉』を現代風に、日本風に翻案し、付け加えた感じの小説。 美少女中学生で、科学番組に出演するアリサは、番組の撮影で訪れた施設で冷凍睡眠装置に入れられ、30年後に目を覚ます。 そこにいたのはかつてほのかな思いを寄せていた男。中学生から、40代の男になっていた。 30年後の日本ではメイクのかわりに精巧な「マスク」が流行し、似たような顔の女性が闊歩している。 道州制は実現し、大統領制になり、デフレが進んで貨幣価値は上がっている。 …内容はミステリ仕立て。後半は『夏への扉』とは全然違う展開になっている。 理系の人が書いた小説だなあーと思う。作者の経歴では「静岡大学理学部卒」なるほど。 冷凍睡眠の仕組みとか、いろいろと科学用語が出てきて文科系の私には読みづらいところがあった。話の流れもやや生硬な感じ。 30年後の未来を想像するのはでも面白いけれど。私はあまり広がらないけれど、10人の小説家がいたら10通りの未来が描けると思う。 そういうアンソロジー小説集があったらいいですね。 さて、この『スリープ』、好き嫌いが分かれると思います。 私は…ちょっと苦手…かも…もうすこし愛がほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年08月28日 09時22分51秒
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