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カテゴリ:非モテ系恋愛小説
作者:角田光代 甘いものの食べすぎか、あごに吹き出ができた。 若いときのニキビは、思い思われ、ふりふられ、なんて名づけたもんだ。私の吹き出物は「思われ」の位置にあるが、私のことを恋焦がれる人などこの世に今おりますまい。 さて、この角田光代の小説は「失恋小説」の連作小説。主人公は必ず振られ、振った張本人が次の小説の主人公になるというもの。 1990年代から2000年をすぎるくらいの時代の中で、仕事をし、恋をし、ふられる主人公たち。 ケータイのない時代の恋、というのも懐かしい。(って、私は未だに持ってないけどさ) どの小説も、恋愛のほかに仕事が人物のアイデンティティを形作っている。 恋をして、振られて、それはたいそう辛いものだけれど、経験はその人を成長させるんだなあ(あるいは変えるんだなあ)と思える。 振った人が今度は振られる、というのもちょっと小気味よい。 自分を振った人は、他の人に振られるなんかないんだろな、くそ、なんて思いませんか? 小説では、ちゃんと振られてくれる。しかも、いろいろなバリエーションで。 作者の人間観察の鋭さに、またまた舌を巻く一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年02月03日 14時11分50秒
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