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カテゴリ:読書
ブロ友の藍うさぎさんにご紹介いただいた絵本、
ちいさなちいさな王様、 なかなか先に進まず、まだようやく三分の一、かな? 日本語版は1300円ほどでしたが、原書だと400円位も安い ので、それにつられてドイツ語版を注文してしまった せいで、読むのにとっても時間がかかってしまいます。 B6版くらいの大きさで、厚さは1cmもなく、童話なので 難しい単語もないだろうし、挿絵もたっぷり入っている ようでしたので、簡単にとまではいかなくても、もう 少しサクサク読めると思ったのですが、甘かった! ドイツ語はやっぱりドイツ語でした。 結局辞書を傍らに置いてということになり、得意のごろ 寝読書が出来ず、余計に時間がかかりました。 体が縦になっていると、日本語でもサクサク読めない 可笑しなmamatam、三連休でも、あまり捗りませんでした。 *** 少し前から、わたしの家に、小さくて太った王様、12月 2世が時々やってくる。王様は、人差し指より小さいくらい だが、とても太っていて、白くて厚い毛皮で縁取りをした 小さな赤いマントが、お腹の前で留められないほどだ。 王様は、くまちゃんグミが大好きだ。食べる時は、グミに 両腕を回してしっかりおさえる。それでも、持ち上げること は出来ない。というのは、くまちゃんグミは、王様丸ごと 一人分のほぼ半分の大きさなのだ。 王様は、柔らかいクマちゃんグミにかみつき、大きく一かけ ら噛み千切り、その合間にいつものように言うのだ。 「君の世界のことを何か話してくれないか。」 王様が初めてやって来たとき、わたしはこう言った。 「この世界では、人間は、小さく生まれてきて、それから だんだん大きくなる。バスケットボールの選手みたいに すごく大きくなる人も時々いるけれど、皆、最後にはまた 少し縮んで、それから死がやってきて、世を去るんだ。」 「それは理屈に合わんぞ。」と、小さな王様は言って、 くまちゃんグミの右の肉球を齧り取った。「最初からもう 大きくて、だんだん小さくなって、最後には見えなくなって 消え失せる、どうしてそうならないのじゃ?」 「連邦葬儀屋協会が反対すると思うよ。」とわたしは言った。 *** こんな感じで始まるのですけど、すごく面白いというよりは、 時々クスッと笑っちゃうような感じですね。 人が、何もできない何も知らない、小さな赤ん坊で生まれて 来るなんておかしいという王様の世界では、人は、赤ちゃん ではなく、大人で生まれてきます。 身体も大きく、知識もがあって、字を読んだり書いたりも できるし、コンピュータプログラムを作ったりもできます。 そして、わたしたちの世界とは逆に、歳をとるごとに小さく なり、知識も技術も歳と共に失っていき、最後には何もかも 忘れて、身体も見えないほど小さくなって、消えていきます。 なので、人は生まれるとすぐに、仕事に行き、ビジネスラン チ?なんかもしたりします。でも、だんだん小さくなり 知恵も失われると、もう仕事は出来なくなるので、家にいて 日陰で遊んだり、友達のうちに遊びに行ったりするように なります。大人は小さくなった人の、「お家はどうして四角 いの?」などという質問に答えたり、ご飯を食べさせてあげ たりしなくてはなりません。 王様は、「わたし」の部屋の棚の裏辺りに住んでいるようなの ですが、ある日王様に誘われて、お家に行ってみると。。。 この行き方がまた面白くて、棚のすきまに潜りこむには大き すぎるというわたしに、王様は、まだやってみてもいない じゃないかと言って、両手の人差し指を裂け目に差し込んで みるように言います。 わたしが、指を差し込んで、気付くと、王様の部屋に転がって いました。 王様の家は、王様が言うには、100年くらいたっていて、疲れ ているのだそうです。その世界では、家は疲れると縮むそうで 王様の家も50年前には今の8倍くらい大きかったそうです。 それがだんだん縮んで、今では、ベッドと、ランプの載った サイドテーブルだけでもう一杯の、小さな部屋一つだけしか ありません。 部屋の四方に棚があり、棚には、色とりどりで色々な模様の 描かれた箱がたくさん置いてありました。 その箱は、王様がお祖父さんの1月3世王から受け継いだもの で、中身は夢だそうです。お祖父さんがだんだん小さくなり お祖父さんの家もだんだん小さくなっても、夢は同じ大きさ のままなので、箱も小さくならず、部屋が箱で一杯になって しまいました。 お祖父さんはそうしている内にもどんどん小さくなり、 とうとう誰にも見えないほど小さくなって、箱と箱の間の どこかに消えてしまいました。それで、王様は、その箱を全部 今いるこの部屋に、その頃はもっと大きかったこの部屋に 運んできたのだそうです。 お祖父さんは今でもきっと、箱の間のどこかにいるのだけれど そんなに小さくちゃ、誰にも見えやしないと王様は言うのです。 王様は箱の中身がどんな夢なのかは知らないそうです。寝る 前にひとつ取りだし、ふたを開けてベッドの脇に置いてお くと、寝ている間にその夢が見られます。 ところで、王様は、「だんだん大きくなるなんて、痛くないの か?」と聞いたりします。 こういう間の抜けた質問に最初はくすくす笑っているのですが 時々、あれ?ってなります。 だって、こんなことを言うのですよ。 「君たちは、大きくなんかなってはいない。ただ、そう 見えるだけだ。もし、君が話してくれたことが本当なら 君たちも、最初から大きいと思う。わしが思うに、はじめ、 君たちにはあらゆる可能性があるが、それが毎日少しず奪われ るのだ。君たちは、小さい時には大きな想像力があるが、 知識は全くない。だから、君たちはなにもかも想像しなくて ならない。ランプはどうして光るのか、テレビは何故見える のか、小人は木の根っこの下でどうやって暮らしているのか 巨人の掌の上に立つのはどんな気分だろう。。。やがて君た ちは大きくなり、もっと大きな者たちから、ランプやテレビの 機能を教わり、小人などいないと学ぶ。巨人もいないと。 想像力はどんどん小さくなり、知識はどんどん増していく。 違うかね?」 「君たちは歳をとる。君たちは最初、消防士とか、それとも 何か別の者になりたいと思う。看護師とか、何が違うものとか。 そして、ある日、君たちは消防士とか看護婦になっている。 その時には、何か別の物になることはもうできない。それには もう遅すぎる。それは、小さくなることでもある、違うかね?」 ちょっとうなっちゃいますよね。 って、ダラダラ書いても、これでまだ三分の一にもなりません。 全部紹介しようと思ったら大変です。 でも、もう少し読めたら、また少しご紹介しますね。 この本、挿絵がとっても素敵です。 この前、表紙を載せましたよね、あの絵です。皆さんにお見せ したいけど、挿絵をブログに転載したら、著作権法違反になっ ちゃうかしら? どなたかご存知ですか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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