やさしい冬の日。(その2)
(・・その1から続く)ショーを最後まで観てテーブルに戻り デザートとお茶をゆっくりといただいてから、私の注文したコースメニューに付いていた景品と持ち帰り用のグラスを受け取ってお店を出ようと席を立ったのは15:30前頃だったと思います。(私の方のデザートは 小さなハート型のパイのサクサクとした食感が素晴らしかったです。)ブッフェルームを通り過ぎる時にふとブッフェカウンターの上を見ると、こちらにも「ハート・オブ・ロマンス」のロゴマークをあしらったデコレーションがとても美しく施されていたので、思わず立ち止まってしばし眺めてしまいました。もうお料理も殆どさげられてしまっていてゲストも少ないようだったので、思い切って写真も撮らせていただきました。(右上の写真はミニーさん、下の写真はミッキーのシルエットですね~。)今日のこのお食事でスタートとなる私達の「ダイニングヴォヤッジ2010」のポイントカードを受け取り、オチェーアノを出てからは再度シーに入園しようと思ったのですが、車をこのままミラコスタ駐車場に置いておくと駐車料金が大変なことになるので、私達は車をイクスピアリ駐車場に移動してからシーに再入園することにしました。(注:宿泊する時以外のホテルミラコスタの駐車料金は レストランやショップで三千円以上の利用があれば三時間まで無料になりますが、それ以上停めておく場合は30分あたり400円の料金が発生します。)シーに再び入園したのは16:00過ぎ頃でした。私達がゲートを通ったちょうどその前後に、エントランス付近で流れている音楽は昼バージョンから夜バージョンに切り替わりました。晴れて暖かかった昼間のぬくもりが空気中に少し残り おだやかに暮れていく真冬のディズニーシーで、閉園時刻を迎えるまであと4時間。さあ 何をして過ごしましょうか。ゴンドラに乗って夕暮れのハーバーに出ようか、スチーマーラインでシーの水域を一周しようか。いろいろ考えた末、私達は「ビッグシティヴィークル」に乗ってアメリカンウォーターフロントを大きく一周することにしました。ビッグシティヴィークルは現在は「ニューヨーク周遊コース」と「マクダックスプラザ→ケープコッド」及び「ケープコッド→マクダックスプラザ」の片道コースのみの運行になっていますが、片道コースに連続して乗車するように組み合わせれば アメリカンウォーターフロントを大きく一周することができます。(もちろん停留所に着いたら一旦必ず降車して、列の後ろに並びなおさなければなりませんけれどね。)私達がマクダックスプラザにある「ケープコッド行き」のヴィークル乗り場に行ったのは16:15くらいでしたが、私達の前には3~4組のゲストの方が並んでいらして キャストさんによると「ただ今の待ち時間は20分前後です」とのことでした。(ニューヨーク周遊コースの方はこの時間「5分待ち」でした。)それから 数分おきにやってくる車に前に並んでいらした皆さんが順に乗車していくのを見送って、十数分ほど経ったところでやってきた三台めのヴィークルに私達は乗ることができました。ブロードウェイからホレイショスクウェアをゆっくりと抜け ドックサイドステージ前まで来ると、ちょうど舞台の上では「オーバー・ザ・ウェイブ」のショーが佳境にさしかかっていて、逃げ回る兄妹を巡ってのコミカルな場面が展開されていました。ゆるやかな坂を上った赤いハドソンリバーブリッジの上からは やや左前方の海の向こうに今まさに沈んでいこうとする大きな夕陽が見えました。澄み切った冬の空気の中、今この時間にここにいなければ決して見ることのできない景色をじっくりと眺めることができた幸運を私は嬉しく思いました。やがてたどり着いたケープコッドは、今日はそれほど混雑しているようには見えませんでした。皆さんもちろんご存知だと思いますが、こちらの地区にあるレストラン「ケープコッド・クックオフ」でディズニーシー開園以来上演されてきた小さなショー「ドナルドのボートビルダー」は明後日1月11日で終了してしまいます。なので今日あたりはケープコッドにショーのファンの方が押し寄せて混雑しているのでは?と私は勝手に想像していたのですが、外からちらっと見た感じでは 今日のところはショーエリアに目立った待ち列などもできていないようでした。ケープコッドの停留所でいったんヴィークルを降りた私達は、この場所で「マクダックスプラザ行き」のヴィークルを待っているゲストの方が他に誰もいらっしゃらなかったため、キャストさんの指示で再び同じ車に乗り込むことができました。丁寧な注意事項のアナウンスの後 いよいよ発車という段になって、ご家族連れが一組乗り込んでいらっしゃって、ヴィークルは満席となってマクダックスプラザへと出発しました。ほんの少しポートディスカバリーをかすめてポンテヴェッキオを渡り、メディテレーニアンハーバーとアメリカンウォーターフロントの美しい景色を両手に見ながら 私達の乗ったヴィークルがマクダックスプラザに戻りついたのは17:00前のことでした。ヴィークルでのアメリカンウォーターフロント一周の旅を終えた私達は、そのまままっすぐ18:15からの本日最終回の「ビッグバンドビート」目指してブロードウェイミュージックシアター前へ行きました。待ち列最後尾についたのはちょうど17:00頃、順番は先頭からざっと数えて50~100人目くらいといったところでした。入場してからも難なく希望する座席に座ることができ、何も余計なことを考えずにゆったりリラックスしてショーを楽しむことができて 良かったです。ショーが終了して劇場の外へ出ると 時刻は18:50になっていました。閉園時刻が20:00に設定されている今日は、ハーバー水上での「ブラヴィッシーモ!」は なんと19:00から始まってしまいます。シアター前からハーバーを望める場所へ出た時点で既に音楽はブラヴィッシーモ!前の特別な物に変わっていたので、もうショーを観るのに特によい場所を確保するのは難しいだろう と考えたらしい夫は私に「ポンテヴェッキオの下をくぐってリドアイル裏に行ってみよう」と提案しました。が、今夜の私はなんとなく遠い場所からショーを眺めたい気分だったので、「リドアイル裏に行く前に ポンテヴェッキオの上の後方の、数週間前に最後の『キャンドルライト・リフレクションズ』を観たあのデッキの手すり沿いにまず行きたい」 と夫に言いました。行ってみると ハーバーを見下ろすその少し高くなったデッキの上の手すり沿いには、まるで奇跡のようにあと二人分だけの空きが残っていました。そしてほどなくしてショーが始まると ここは、ショー中のメディテレーニアンハーバーの光も炎も闇も ショーに見入っているゲストの姿だけでなく橋の上で立ち止まることなく去っていくゲストの姿までも含めてブラヴィッシーモ!の「全て」をみたいと願った私には、ぴったりの観賞場所でした。魔法のように風の無いやさしい夜だったので、きっと今夜は花火も炎も噴水も 一切の演出がこのショーを産み出した方々の意図通りに運ばれたはずです。なんと評したらいいのか言葉が見つからないほど 完璧な「ブラヴィッシーモ!」でした。ショー終了後にハーバー一帯に流れる「Swept Away」の曲が終わるまでその場にとどまり(同じような方はきっと多いだろうと思いますが 私にとってはSwept Awayを聞き終えるまでが「ブラヴィッシーモ!」です)、その後は ふと気付くと一気に人がひいてしまっていた夜のハーバーをしばらくそぞろ歩きました。ピアッツァトポリーノからミラコスタ通りを抜けて、私達があっさりとシーのゲートを出たのは 閉園時刻までまだあと15分を残す頃でした。結局今日は 一度も北風にさらされることなく 用意してきたマフラーも手袋も出番のないまま一日を過ごすことができました。イクスピアリ駐車場までの帰り道に仰いだ夜空には、ぴたっと止まったままの冷えた空気のはるか向こうに 冬の星座たちが静まり返って浮かんでいました。それは私達にはまるで、イベントも何もない営業時間の短いディズニーシーにわざわざ出かけてきた者を じっと見守ってくれているように思われたのでした。◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ 文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については「東京ディズニーリゾート」の公式サイトをあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。また、「東京ディズニーシー」内の固有名詞については、公式サイト内のこちらから検索することもできます。利用なさってみてください。◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇