|
カテゴリ:思い出の宝箱
「それは今も残っておるが、タッパーに入れて二人の墓に入れてある・・・親父さんがそうしてくれと、お袋さんの初七日の日の夜、わしに言い残したからな」
僕は、もうかなり長い時間お邪魔しているのに気づいたけれど・・・
「初対面で図々しいのは分かっています・・・でも最後までこのお話を聞かせていただけないでしょうか」 そう言った。
「ああ、いいよ。そのつもりで無ければ、こんな大事な話を始めたりはせんよ」
だめだ、もう目頭が熱くなってきてしまった・・・ ご主人が続ける・・・
「お袋さんの手紙が届いたところからじゃったかの・・・つづきは?」
「はい・・・」 少しじれったくなった。
「そうか・・・お袋さんからの手紙には、こう書いてあった・・・」
「作ちゃん・・・初めての試験、終わったよ。
作ちゃん・・・顔見てない・・・声も聞いておらん・・・
今度の日曜日、田植えの手伝いに、マツさんと行きます。
だめだと云うたら、作ちゃんの傍で大声で泣きます・・・
き く 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.11.04 22:06:56
コメント(0) | コメントを書く
[思い出の宝箱] カテゴリの最新記事
|