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如月(きさらぎ)。
とてもきれいな響きと、不思議な語感を併せ持つ言葉だ。 ちょっと謎めいた神秘的な感じさえ漂う。 語源については諸説紛々だが、岩波「広辞苑」は「生更(いきさら)ぎ」としている。 「更(さら)ぐ」という動詞が上古にあったという見立てであろう。 生命が新たになるというようなニュアンスであろうか。 弥生(やよい、三月)の語源が「弥生(いや・おい)」(草木がぐんぐん伸びてくる意)であることは確実と見られるから、同じようなニュアンスの語源説として肯ける。 なお広辞苑では、俗説の「着更着」は真っ向から完全否定している。 たしかに陰暦(旧暦)の2月と言えば、現在の太陽暦のほぼ3月に当たり、寒くて重ね着をする時節は過ぎている。 また、古い日本語(やまとことば)の造語形式から見ても、「着更着」説は、どことなく直感的におかしいと感じる。 「更に」、古代語の「更」の意味(更改される、改まる)から言っても変であり、これはよくある信憑性のない民間語源説といったところである。 「気更気」説などは漢字の音読みと混同しており、論外と言っていいだろう。 そんな如月なのだが、きょうは2月2日、「重陰(ちょういん、ちょうおん?)」である。 「重陽(ちょうよう)」の節句というのは元日(1月1日)、3月3日、5月5日~9月9日と、一年間に5回あり、いろいろな節会(せちえ)の中でも重要視された。これは陰陽五行説などで、5が一種の聖数視されたためで、11月11日は入っていない。ただ、11月には、新嘗祭という、朝廷最大の祭りがあった(現・勤労感謝の日)。 なお、節会料理(おせち)は、今はお正月だけになった。 重陽があれば重陰もあるんだろう。 言葉としては、あんまり聞かないけれども、原理的にはありうる。 東洋の陰陽(おんよう、おんみょう)思想では、「太一」から発生した陽と陰が巴のように絡まりあって、宇宙が生成されたと説く。 森羅万象に陽と陰があり、「太陽」があれば「太陰(月)」がある。 陽気な犬がいれば、陰気な猫がいる。 もちろん、どちらがいいというわけではなく、どちらも必要である。 動物や人間に当てはめれば、陽はオス(男)、陰はメス(女)とするのが普通だと思うが、わが国の場合、太陽神アマテラスオオミカミは女神であるし、「君は僕の太陽だ You are my sunshine of my life」(スティーヴィー・ワンダー)という言い方もあるから、どちらがどうということは深入りしない。下手すると女性蔑視だとか差別だとかツッコまれる恐れもあるし・・・。 そんなこんなで、意外とふくらみのない記事になってしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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