カテゴリ:古今憧憬
壬生忠岑(みぶのただみね)
暮るるかとみればあけぬる夏の夜をあかずとや鳴く山郭公 古今和歌集 157 日が暮れるかとみればもう明けてしまう夏の夜を、飽き足りないと鳴くのだろうか、山のホトトギス。 註 「暮るる」は古語の動詞「暮(く)る」(現代語「暮れる」)の連用形。 「溢(あふ)る・溢るる」などと同様。 「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形。「・・・てしまう」の意味。 詠嘆のニュアンスを持つことも多い。 「風と共に去りぬ」は「風と共に去ってしまった」の意。 字数の限られた和歌・短歌表現においては、非常に便利な言葉ともいえる。 「郭公」と書いてあっても「カッコウ」ではなく、不如帰(ほととぎす)のこと。 ホトトギスが夜鳴くのかどうか知らないが、そういう前提で詠んでいる。 「明けぬる」と「飽かず」が、品のいい言葉遊びになっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月19日 16時24分21秒
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