カテゴリ:新古今夢幻
鴨長明(かものちょうめい)
石川や瀬見の小河の清ければ月も流れを尋ねてぞすむ 新古今和歌集 1894 石も清らかな川、賀茂川がきれいなので、月もわざわざ 流れを尋ねて来て住んでいる(澄んでいる)のだなあ。 註 意味的には、何が言いたいのか今ひとつ分からないような歌だが、神職だった作者の面目躍如たるものがある「神祇歌(じんぎか)」(宗教的な色彩のある歌)である。 瀬見の小河:京・賀茂川の別称。なお、古くは「賀茂川」と「鴨川」の表記は区別せず混在していたが、現在では慣用的に、上流を「賀茂川」、下流を「鴨川」と呼んでいるらしい。語源的には、むろん「鴨川」の方が古いだろう。古い知識階層の、一種の縁起担ぎの文字遊びである。 ちなみに「衣川(きぬがわ、ころもがわ)」と「鬼怒川」の表記などにも似たようなことが言える。 すむ:「澄む」と「住む」を掛けている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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