カテゴリ:その他の和歌
菅原道真(すがわらのみちざね)
東風吹かばにほひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな 拾遺和歌集 1006 東風が吹いたなら 妙なる香りを起こして届けてくれ。 梅の花よ 主人がいなくなったからといって春を忘れるな。 註 右大臣(今でいうなら、実権のある副総理ぐらいのポジション)だった人格者・菅原道真は、藤原氏との熾烈な政権抗争に敢えなく敗れ、太宰権帥(だざいのごんのそつ、現在の福岡県副知事ぐらい)に“飛ばされ”(左遷され)憤死し、朝廷に数々の祟りをなしたと伝えられる。 大宰府天満宮は、もともとその怨霊を鎮めるために建立されたものである。史上名高い祟り神、保元の乱の崇徳上皇(崇徳院)をはじめ、日本の神社にはこういった類いの由来を持つものが少なくない。 神道思想では、怨霊を恭(うやうや)しく祭ることによって、いわば負のパワーが絶対値を保ったまま大いなる守護霊に変換されると解する。 この名歌は、道真が京都の自邸の梅を思い浮かべて、悲嘆を込めて詠んだ歌。 その梅が、道真を慕ってある一夜、大宰府天満宮まで飛んでいったという「飛梅(とびうめ)伝説」も有名。 ■大宰府天満宮公式ウェブサイト 東風:「春風」よりは冷たく、ちょうど今頃の早春に吹く、やや強い東風。ヨーロッパ・地中海地方に吹く西風ゼフュロス(ゼファー、セフィーロ zephyr)などと同様、春を告げる風として古来知られる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[その他の和歌] カテゴリの最新記事
|
|