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北アフリカ・リビアのカダフィ長期独裁政権の崩壊が秒読み段階に入り、同国の騒乱状態はいよいよ最終局面を迎えつつある。
■ リビア前法相が暫定政府樹立へ 「カダフィ離反」促す 【ロイター通信 26日】 欧米諸国の価値観が絶対とまでは必ずしも思わないが、基本的に議会制民主主義(デモクラシー)政体は至当であり、いかなる名目であれ少数者による専制独裁体制は誤謬であると、私は確信する。 また、「民主」という言葉を用いていても、「直接民主制」(リビア)だの「民主集中制」だのと称しているのは、言葉のトリック・まやかしであり、少数独裁の異名と見てほぼ間違いない。 発展途上国が近現代化する過程では、場合によっては一定の「開発独裁」的な段階が必要(現在の先進国もかつてこの段階を経てきた)との史観に基づく弁護論もあり得ると思うが、それも程度問題であろう。 ここまで強権的な専制独裁政治にはもはや情状酌量の余地もなく、とにもかくにも21世紀の地球上からは速やかにお引き取り願うほかはあるまい。 ただ、その後の受け皿となるべき政権が、欧米やわが国を含む国際社会から見て歓迎できるものとなるのかどうかは楽観を許さず、かなりの危惧があると指摘されている。 それは、〔1〕現在より反欧米的なイスラム色の強い政権となり、場合によってはテロリスト勢力と結びつく惧れ、および〔2〕アラブの伝統的部族社会の群雄割拠による混乱、などである。 後者は、たとえて言えば戦国時代のわが国のようなものであり、彼らもいわば誇り高き「サムライ・スピリット」を有しているといわれる。 私のきわめて貧しい知識でも、かつて何度も見た名作映画「アラビアのロレンス」や「風とライオン」などに出てきたアラブ人族長たちの、自信・自尊と矜持に満ちた昂然たる面影が眼に浮かぶ。 オイルをはじめとする豊富な地下資源による経済的バックボーンを背景に、彼らがきわめて意気軒昂であることも、この場合はむしろ不安要素というべきである。 現実のものとなりつつある「中東革命」全体の帰趨にもよるが、混乱の収拾にはかなり長い時間がかかり、アラブ・中東地域が再び現代世界・国際社会のコミットメントやコントロールを許さない治外法権のカオスに陥る危険も懸念されている。 ・・・が、こういった数々の危惧にもかかわらず、今眼前にある無辜のリビア国民の大きな不幸は、できるだけ早く取り除かれねばならないだろう。これは人道、人の道である。 ■ [SAVE-LIBYA] Protesters Clash With Police ([リビアを救え]抗議の市民、警察と衝突) 【You Tube original video】 カダフィ政権延命の可能性が皆無であるとは衆目の一致するところだが、すでに数千人の桁(オーダー)に達しているとの観測もある武力弾圧の犠牲者が、今後どこまで増えるのかが重大な問題である。 ■ リビア首都 治安部隊、反政府デモ銃撃【TBSニュース 26日】 隣国チュニジア、エジプトへ多数の難民が殺到しているという情報もある。 カダフィは、有害無益な悪あがきを直ちにやめて、さっさと亡命か自殺でもしたらどうかと思うが、この明らかな大量虐殺と国際社会への挑発を目の当たりにして、国連(潘基文 パン・ギムン事務総長)もいったい何をしているんだ、後手後手に回ったまま拱手傍観で時間をつぶすつもりかという苛立ちも覚えざるを得ない。 ■ [SAVE-LIBYA] Deaths Of Teens Rises ([リビアを救え]立ち上がった十代の若者たちの死) 【You Tube original video】 (この映像は、見る人を不快にさせる、または不適切な可能性があると YouTube コミュニティが特定したものです。ご自身の責任において閲覧してください。) 一方、この事態の展開・顛末は、見方によっては、そう遠くない将来にわが国のすぐ隣の「朝の鮮やかな国」などでも必ず起こるであろう事態のシミュレーションともいえよう。 この北の国の政治体制も、ほぼ同じような構造を持ち、酷似した問題をかかえており、おまけに徳川時代でもあるまいに、三代にも亘る時代錯誤の最高権力世襲という強力な時限爆弾まで作動しつつある独裁国家である。 この観点から見ても、今回の事態の推移からは目が離せない状況といえるだろう。 ■ Libya Protesters killed and shot (リビアの抗議の市民、射殺される) 【You Tube original video】 (この映像は、見る人を不快にさせる、または不適切な可能性があると YouTube コミュニティが特定したものです。ご自身の責任において閲覧してください。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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