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□ 石巻工・阿部主将感謝の誓い 【日刊スポーツ 22日付】
<センバツ高校野球:開会式>◇21日 東日本大震災の被災地からの力強い宣誓でセンバツが幕を開けた。第84回選抜高校野球大会の開会式で、21世紀枠で選出された石巻工(宮城)の阿部翔人主将(3年)が選手宣誓した。津波で石巻市の自宅が全壊するなどの経験を踏まえながら、2分15秒のスピーチに思いを込め、スタンドから大きな声援を受けた。言葉で思いを届けた石巻工は今日22日の1回戦で神村学園(鹿児島)と対戦し、諦めない姿をプレーで発信する。 阿部主将の、石巻工の、被災地の思いが込められたメッセージが、甲子園に響き渡った。苦難を乗り越えてきた17歳の、少し高くなった声が、銀傘に跳ね返る。2分15秒。よどみなく言い終えると、割れんばかりの拍手が阿部主将を包んだ。「今までここまで頑張って来られたのも、周りの方の支援があったから。その感謝の気持ちを込めて。自分なりに、一生懸命言ったつもりです」。他校の選手からは「感動したよ」と口々に声をかけられた。 「感謝」をテーマに被災地の思いを言葉にした。前半の「人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくてつらいことです」というくだり。阿部主将も自宅が1メートル90センチも浸水。家の片付けを終えると、すぐさまグラウンドのヘドロ除去が始まった。「どうしたらいいのか分からず、答えが出ない状況だった」。避難所に行けば、われ先に物資をかき集める人もいた。家族を思っての行動と分かるだけに「それを見るのがつらかった」。そんな中での救いは、全国からの数え切れない支援だった。 文の中身は、阿部主将の原案にチームメートの思いを肉付けしていった。大阪市内の宿舎の一室にあるホワイトボードをナインの言葉が埋め尽くした。それを紙に書き写した松本嘉次監督(44)は「1人1人が言葉をつないでいて、清書していても涙が出た。今日も(涙が)こぼれそうで、上を見たけどダメだった」と、100点満点を与えた。 前日20日は「不安で」、激しい吐き気に襲われてリハーサルを欠席。ぶっつけ本番となったが「みんなで考えたので、すっと覚えることができた。終わってスッキリしてます」と、達成感にひたった。父克彦さんが「口でしゃべるより、プレーで引っ張るタイプ」と話す長男坊は、自分の言葉で人の心を動かすまでに成長した。今日22日は、練習再開に向けて集合した日から1年。今度はプレーで、全国に思いを発信する。【今井恵太】 □ 石巻工・阿部主将の選手宣誓全文 【読売新聞 21日付夕刊】 第84回選抜高校野球大会の開会式で、石巻工(宮城)・阿部翔人(しょうと)主将が行った選手宣誓の全文は次の通り。 宣誓。東日本大震災から一年、日本は復興の真っ最中です。被災をされた方々の中には、苦しくて心の整理がつかず、今も、当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。 人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。 しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。 だからこそ、日本中に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。 われわれ高校球児ができること、それは、全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。 平成24年3月21日、選手代表、宮城県石巻工業高等学校野球部主将、阿部翔人 □ センバツ宣誓に石巻市民涙 【日刊スポーツ 22日付】 第84回選抜高校野球大会の開会式が21日、甲子園球場で行われ、初出場を果たした石巻工(宮城)の阿部翔人主将の選手宣誓に、地元石巻市民が感極まった。東日本大震災で受けた被害を乗り越え、晴れの舞台に立った選手たち。PV(パブリックビューイング)で阿部主将の勇姿を見守った市民は「全ての被災者の気持ちを示してくれた」などと感謝の思いを口にした。 選手宣誓の一言一言が、被災者の心を揺らした。市内のみやぎ生協アイトピア店跡地で行われたPVには、約90人の市民が集まった。津波で全壊した水産加工会社「木の屋石巻水産」に勤務する中村暢宏さん(42)が、声を詰まらせながら言った。「前向きに進もうとする人、まだそう出来ない人と、全ての被災者の気持ちを配慮した宣誓でした。被災者の今の気持ちを日本全国へ発信してくれて、大変感銘を受けました。高校生とは思えない立派な宣誓で、すべての人に希望を与えたと思います」。 自宅を津波で流され、義理の母親と祖母を失った佐藤一昭さん(49)は、勤務先で選手宣誓を見た。「『悲しみに暮れている方々がたくさんいます』という言葉を聞いた時、自分たちのことを言ってもらったようで、うれしくて、涙が出てきた。後は阿部君が宣誓しているイメージだけで、ジワ~ッと感動しました」。 市内の仮設住宅でも、多くの被災者が大型テレビで選手宣誓に注目。涙を流す高齢者の姿が目立った。 今大会に、当地・栃木からは天下の強豪・作新学院高が出場。 1回戦は、大会3日目の23日(金)11時30分からの第2試合で岡山の倉敷商との対戦となり、一ひねりに下す見通し お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月22日 16時27分42秒
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