カテゴリ:シチュエーション・アナリシス
大山鳴動鼠一匹。不認可も唐突だったが、撤回も唐突だった。
残ったのは、田中真紀子氏の政治家終了の烙印だけ。 まことに間抜けな顛末ではあったが、しかし独り文部科学省幹部たちの対応は、官僚としては100点満点の技が光っていた。 ご無理ごもっとも、小心翼々・戦々恐々・唯々諾々と真紀子大臣の横紙破りに従いながら、内心ほくそえんでベロを出しつつ、蟻地獄に追い落とす陰謀に成功した。 もっともこれは、相手が超単細胞人間だからこそ成立した見事なパフォーマンスだったといえようが。 特に、直接大臣と対峙した板東久美子高等教育局長らの功績は大であり、主権者たる国民としても快哉を叫ばざるを得ない。他の省庁でも、これをお手本に民主党政権には面従腹背の姿勢を貫いてもらいたい。 田中真紀子文部科学大臣は、開会した臨時国会で集中砲火を浴び辞任も迫られることになるだろうが、どっちみち野田内閣自体がまもなく終わる運びだから、今さら、辞めてもいいし辞めなくてもいいよね。どっちでもいいから、どうぞご勝手に~ ![]() ・・・そのままの君でいて(岡本真夜) ![]() ■ 真紀子氏、落選危機 大学不認可で「存在アピール」に地元であきれる声 【夕刊フジ 7日付】 田中真紀子文科相は、来春新設予定だった3大学への不認可を事実上撤回した。ただ、学生をはじめ、大学や文科省の関係者らは、今後も独断専行に振り回されかねない。真紀子氏の地元・新潟5区(長岡市、小千谷市、魚沼市など)では、「あの人らしい…」「次期衆院選で落選危機にあるため存在をアピールしたかったのでは」などと、脱力やあきらめにも似た空気が漂っている。 「田中角栄先生が立派にやってこられたことが、台無しです」 今回の騒動について、真紀子氏の父・角栄元首相の後援会「越山会」で長く活動してきた女性はこう嘆いた。角栄氏は綿密に根回しをして、人々のためになる政策を一気に実行したが、確かに、真紀子氏の言動にはそうした形跡は見られない。 魚沼市選出の皆川雄二県議(自民党)も「真紀子氏らしいな、という受け止めが多いのではないか」と、学生や大学側を大混乱させた一件を、冷ややかに語った。 一方で、次期衆院選が影響している、という見方もある。 真紀子氏は、角栄氏が築いた強固な選挙地盤に乗って、6連続当選を果たしてきたが、次期衆院選では、自民党から強敵が出馬する。新潟県中越地震の際、山古志村長として住民避難や生活再建に取り組み、知名度や人気の高い長島忠美衆院議員だ。地元事情通は厳しい情勢を語った。 「長島氏の後援会長は、角栄氏の後援会『越山会』の青年部長を長く務めた星野伊佐夫県議で、真紀子氏の手の内を知り尽くしている。地元有権者も彼女の弁舌に飽きており、民主党への逆風も強い。自民党が5月に行った情勢調査では、長島氏が大差でリードしていた」 まさに、真紀子氏は落選危機なのだ。 このため、小千谷市選出の宮崎悦男県議(自民党)は「真紀子氏はこれまで出ていなかった小さな会合にも顔を出している。かなり焦っている」といい、魚沼市の住安孝夫市議(共産党)は「選挙情勢が厳しいので、(強い権限を持つ)大臣であることをアピールしたかったのでは。ただ、(不認可騒動は)マイナスだろう」と分析する。 こうしたなか、地元有力者の間では、こんな話が広まっている。 ある県議は「真紀子氏が文科相就任後、地元の医師会関係者に『長岡市に、関西の有名大学の医学部を誘致したい』と語っていたらしい」と明かす。 真紀子氏の元秘書である穂苅英嗣氏は「あの方は、積み上げてきたものをひっくり返して、一から自分で決めなければ気が済まない。学生が人生を狂わされることなどには想像が及ばない。大臣どころか、議員辞職した方が本人のためだ」と話している。 [夕刊フジ 7日] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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