カテゴリ:百人一首
小倉百人一首 三十四
藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 誰をかも知る人にせむ 高砂の松も昔の友ならなくに 古今和歌集 909 (今では親しい友はみな世を去り、私だけが取り残されて) いったい誰を知己にすればいいのだろう。 (長寿だという)高砂の松も(人にはあらず) 昔の友ではないのだよなあ。 註 知る人:親しい友人、知己(ちき)。 高砂:播磨国加古郡高砂(現・兵庫県高砂市)の浜辺(現・高砂海浜公園)。古くより松の名所で知られる歌枕の地。同地・高砂神社の「相生の松」も有名。 なくに:和歌に多く用いられ、否定の詠嘆を示す。従来の文法的解釈としては、打消しの助動詞「ず」の古い未然形「な」に、語を名詞(体言)化する接尾語「く」と接続助詞「に」が付いたものとされており、古語辞典でもこの解釈で載っているものが多い。 が、近年では、「ず」の連体形「ぬ」に、上古に存在したと推定される形式名詞「あく」が接続して約まったものとされ、現在ではこちらの説が有力になっている(「ク語法」の統一的説明)。 この説に従えば、この「く」は「いはく(曰く、言わく)」「のたまはく」や「思はく(「思惑」は当て字)」「老いらく(の恋)」などの造語成分と共通であると、統一的に説明できる。例えば「老いらく(老ゆらく)」は「老いる(老ゆる)+あく」である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年01月04日 10時50分02秒
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