カテゴリ:シチュエーション・アナリシス
天皇皇后両陛下は11日午後、東京・千代田区隼町の国立劇場で行われた政府主催の東日本大震災の犠牲者追悼式に出席された。
天皇陛下は「津波災害の教訓を決して忘れることなく、これから育つ世代に伝えていくことが大切と思います」と述べられた。 東日本大震災の死者は警察庁の3月8日時点でのまとめによると1万5881人、震災関連の死者は読売新聞の3月11日の報道で2601人以上、警察に届出があった行方不明者は2668人で、合わせて2万人を超えている。復興庁のまとめでは、全国に避難している人の数も31万5196人にのぼる。 追悼式では、地震が発生した午後2時46分に、約1200人が犠牲者に1分間の黙祷をささげたあと、天皇陛下がお言葉を述べられた。 天皇陛下のお言葉の全文は次の通り。 本日、東日本大震災から二周年を迎えるに当たり、ここに一同と共に、震災によりかけがえのない命を失われた多くの人々とその遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します。 二年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う大津波により、二万人を超す死者、行方不明者が生じました。震災後に訪れた被災地では、永年にわたって人々が築いてきたふるさとが痛々しく破壊されており、被災者の悲しみはいかばかりかと察せられました。一方、この厳しい状況の中、被災地で、また、それぞれの避難の地で、気丈に困難に耐え、日々生活している被災者の姿には、常に深く心を打たれ、この人々のことを、私どもはこれからも常に見守り、この苦しみを、少しでも分かち合っていくことが大切だとの思いを新たにしています。 このたびの大震災に際して、厳しい環境の下、専心救援活動に当たった自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめとする国や地方自治体関係者、多くのボランティア、そして原発事故の対応に当たった関係者の献身的な努力に対し、改めて深くねぎらいたく思います。 諸外国からも実に多くの善意が寄せられました。物資や義援金が送られ、また、救援の人々も多数来日し、日本の救援活動を助けてくれました。また駐日外国大使など日本に住んでいる外国人を始め、災害発生後の日本を訪れる多くの外国人が、被災地に赴き、被災者を励ましてくださっていることに感謝しています。 このたびの津波災害において、私どもは災害に関し、日ごろの避難訓練と津波防災教育がいかに大切であるかを学びました。この教訓を決して忘れることなく、これから育つ世代に伝えていくことが大切と思います。今後とも施設面の充実と共に、地域における過去の災害の記憶の継承、日ごろからの訓練と教育などにより、今後災害の危険から少しでも多くの人々が守られることを期待しています。危険な業務に携わる人々も、このたびの経験をいかし、身の安全が確保されることに工夫と訓練を重ねていくよう願っています。 今なお多くの苦難を背負う被災地に思いを寄せるとともに、被災者一人びとりの上に一日も早く安らかな日々の戻ることを一同と共に願い、御霊への追悼の言葉といたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[シチュエーション・アナリシス] カテゴリの最新記事
|
|