カテゴリ:子規玩味
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 正岡子規(まさおか・しき) 真砂なす数なき星の其の中に吾に向ひて光る星あり たらちねの母がなりたる母星の子を思ふ光吾を照せり 玉水の雫絶えたる檐の端に星かがやきて長雨はれぬ 空はかる台の上に登り立つ我をめぐりて星かがやけり 天地に月人男照り透り星の少女のかくれて見えず ひさかたの星の光の清き夜にそことも知らず鷺鳴きわたる 草つつみ病の床に寝がへればガラス戸の外に星一つ見ゆ 明治33年(1900)7月 註 明治の巨人・正岡子規の晩年(といっても32歳)の連作。写生・写実(リアリズム)を鼓吹した子規らしからぬ(?)ロマンティックでファンタスティック、シュールな味さえ感じさせる珠玉のような一連。 数なき星:無数の星。数限りない星。 空はかる台:観天望気をする台、すなわち気象台・天文台の類い。 月人男:たぶん月そのものの擬人化。日本神話では、月神(月読神)は、一般的に男神とされている。牽牛星(鷲座アルタイル)と織女星(琴座ベガ)の恋路を邪魔する無粋なお邪魔虫の意か。 そことも知らず:どことも知れず。いずこからか。 草つつみ:不明。「病」もしくは「山」に掛かる枕詞でもあろうか? なお考究する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.02.28 16:25:26
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