カテゴリ:万葉恋々
雄略天皇(ゆうりゃくてんのう、大泊瀬稚武天皇・おおはつせわかたけるのすめらみこと)御製(ぎょせい、おおみうた) 長歌 籠もよ み籠持ち 堀串もよ み堀串持ち この岳に 菜摘ます子 家聞かな 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居れ しきなべて われこそ座せ われこそは告らめ 家をも名をも 万葉集 1 籠だなあ 美しい籠を持って 箆だなあ 美しい箆を持って この丘に春の若菜を摘んでおられる娘よ。 家を聞こう。名のりなさい。 そらみつ 大和の国は 押し靡かせて私がいるのだ。 平らげて私が座しているのだ。 私こそは告げよう 家をも名をも。 註 この岳:現・奈良県天理市付近の段丘と比定される。 (家聞か)な:「~しよう」。活用語(この場合は動詞「聞く」)の未然形に接続して、話者の意志を示す上古語終助詞。万葉集に頻出する。おそらく、奈良時代当時の口語だったのだろう。 (家と名を)告る:求婚、婚約の儀礼(プロポーズ)。 そらみつ:「大和」に掛かる枕詞。語源・語義未詳。 われこそは告らめ:係り結び。「われは告らむ(私は宣言しよう)」を強調した形。 山の辺の道(奈良県天理市) ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン *画像クリックで拡大。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月20日 16時34分19秒
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