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赤染衛門(あかぞめえもん)
やすらはで寝なましものを 小夜更けてかたぶくまでの月を見しかな 後拾遺和歌集 680 / 小倉百人一首 59 (あなたがお見えにならないと分かっていれば) ためらわずに寝てしまえばよかったものを (来ないあなたを待ちわびながら とうとう) 夜が更けて西に傾くまでの月を見てしまったのよ。 註 やすらふ:ためらう。躊躇する。ぐずぐずする。 で:打消しの接続助詞。~しないで。 寝なまし:寝てしまえばよかった。古語動詞「寝(ぬ)」の連用形「寝(ね)」+完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」+仮想・適当(~すればよかった)の助動詞「まし」の連体形。 ものを:形式名詞「もの」に、接続助詞とも終助詞とも解し得る「を」がついた連語で、活用語の連体形に接続し、上の句を体言化して、悔恨、愛惜、不満などの気持ちを表わす。このまま現代語でも用いる。cf.)「あの時、ああしておけば良かったものを」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月26日 03時16分03秒
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