カテゴリ:古今憧憬
小野小町(おののこまち)
秋の夜も名のみなりけり 逢ふといへばことぞともなく明けぬるものを 古今和歌集 635 「秋の夜長」というのも、言葉だけのことなのね。 恋しい人と逢っている時には あっけなく明けてしまうんですもの。 註 プレシャス・タイムはあっという間に過ぎ去る。ひとつの無常観。 名のみなりけり:名目、題目だけなのだなあ。 逢ふといへば:逢う場合には。逢う時ともなれば。 ことぞともなく:「ぞ・・・なく」は係り結び。「ことともなく」(特段の事もなく、あっけなく)を強調した言い回し。 ものを:形式名詞「もの」に、接続助詞とも終助詞とも解し得る「を」がついた連語で、活用語の連体形に接続し、上の句を体言化して、悔恨、愛惜、不満などの気持ちを表わす。このまま現代語でも用いる。cf.)「あの時、ああしておけば良かったものを」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.20 23:23:24
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