カテゴリ:その他の和歌
藤原顕輔(ふじわらのあきすけ)
さらぬだに寝覚めがちなる冬の夜を 楢の枯葉にあられ降るなり 続後撰和歌集 ただでさえ目覚めがちな冬の寒い夜なのに 降り積もったナラの枯葉に、あられがけたたましく降っている (ので、うるさくてますます眠れないなあ)。 註 王朝和歌としては珍しく諧謔味・ユーモアを感じさせる佳品。 昔の日本の木造家屋は(おそらく作者のような貴族の邸宅であっても)、すきま風は吹き込み、寝具・暖房も未発達で、京都盆地の都の冬はことのほか厳しかったろう。 さらぬだに:そうでなくてさえ。「さ」(そう)+「あらぬ」(・・・でなく)+「だに」(さえ)。 (冬の夜)を:さらに、その上。助詞「を」が、不満・被害意識などのニュアンスを示す。ものを(・・・なのに)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月21日 06時30分24秒
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