カテゴリ:古今憧憬
紀貫之(きのつらゆき)
夕月夜小倉の山に鳴く鹿の こゑのうちにや秋は暮るらむ 古今和歌集 312 上弦の月の夜 小倉の山でしきりに鳴く鹿の もの寂しい声のうちに秋は暮れるのだろうか。 註 夕月夜:一般名詞としては「上弦の月の夜」を指すが、ここでは「小倉山」に掛かる枕詞(まくらことば)として用いられているので、必ずしも訳出する必要はない(・・・が、訳してもかまわないと思う)。 「小暗(おぐら)し」(ほの暗い)の語呂合わせで掛かる。 鳴く鹿:牡鹿の求愛行動。 や・・・らむ:「や」があるので疑問形。 小倉:こうした歌からの連想で、小豆の粒あんを鹿の体の斑点の模様に見立てて「小倉」と呼ぶようになり現在に至る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年11月13日 09時20分53秒
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