知ってるようで知らないことは、まだまだ沢山ある。
知ったつもりでいる自分に、気づかせてくれたのは、
NHKの「チコちゃんに叱られる!」だった。
「冠婚葬祭の、冠って何?」
結局初登場でゲストの関根勉さんは答えられたのだが、
私は答えられなかった。
知っていたのは、冠婚の婚の部分と、葬祭の葬の部分で、
頭の冠と最後の祭は、知らなかったというか間違って考えていた。
「冠婚葬祭は人生のイベントを順番に並べた四字熟語」だと、
日本の文化に詳しい民俗学者の新谷教授が言った時には、
ほ~っと感心して溜め息が出た。
冠婚葬祭は、人生そのものなんだなぁ‥。
人は生まれて子供から大人になってそして結婚する‥、
そして、人生の最期を迎えて死んでいく‥それを表しているというのだ。
「冠」は、昔一人前になる時に(冠‥えぼし‥)を頭に被った。
頭に被りものを被るのが、一人前になった印だったのである。
奈良時代以降は、数えで12歳~16歳の男の子が、
大人になる際に行うのが、元服の儀式‥この時冠を被り、
大人になったとして、周囲から認められた。
ずーっと冠を被ってきたのだが、それが時代を経て成人式になっていった。
国が明治9年に、20歳を大人として認めたのである。
昔は12~16歳の男の子が大人になっていったのに対して、
20歳に基準を変えたのは、平均寿命が延びたからである。
国が成人式を決めたので、大人になる儀式が成人式ということになった。
冠婚葬祭の冠は、現代でいうところの成人式のことである。
そして結婚をして死を迎える。
私は冠婚葬祭の祭は、こういった儀式全体を、
祭りとして捉えていたのだと思っていたが‥。
でも、実は違ったのである。
祭は祖先祭祀の祭のことで、亡くなった後の四十九日とか三回忌とか、
亡くなった人を祭ることだった。
死んだ後のことまでひっくるめて、人生なのである。
死んで終わりでなく、死んでもなお人々の記憶に生きるわけで、
一つの魂はどんな魂も、壮大なのだと思った。
面白いと思ったのが、成人式発祥の石碑が、日本に2箇所あるようだ。
埼玉県の蕨市と、宮崎県の諸塚村に建っていた。
成人式は国が取り決めたのだが、
どうやら式自体は、各地方自治体がバラバラに開始したようなので、
発祥の地が2箇所ということにも、なってしまったようだ。
名古屋市でも、国が行う前から成人式を行なっていたようで、
当時の新聞にそのことが掲載されていた。
なんと日本各地で、同時期に自治体が動いて成人式をやっていたようだ。
私は、冠婚葬祭が人生そのものを表しているとは、
これっぽっちも考えていなかった。
人生の大きな行事である、結婚と葬式の2大イベントだけだと、
思っていたのである。
案外分かっているようで分かっていないことって有るね。
四字熟語は、思っている以上に奥が深いと、
チコちゃんから教えられた。