カテゴリ:その他
2次試験が近づいてくると思い出す。 ある女の子だ。 すごくよくできる子だった。 いつも制服で塾に来ていた。 面倒なので学校に行くと言って家を出るらしい。 当時はまだ自習室がなく、生徒も少なかったので、教室で自習していた。 インフルエンザが流行っていたので、加湿器を2台置いていた。 事務所もなかったので、教室が僕の事務所代わりだった。 僕が朝行くといつもその子が自習していた。 加湿器からは、蒸気が出ていた。 そしてエアコンもすでに暖かかった。 僕が塾に出るのは9時頃だったから、その温度からしてきっと8時前には来ていたと思う。 毎日続いた。 その子は文系だったので、僕に質問することもなく、ひたすら黙々と勉強していた。 すごい子だった。 ある時、質問したことがある。 「ねえ、私立のみんなは合格してるけど、君は私立を受けなくて国立だけだから最後までやらないといけないね?大変だね?」 「そうですね?」 全く気にしてない様子だった。 『自分は自分スタイル』が確立されているような子だ。 その後、色々苦しく歯を食いしばりながら頑張ってる子を目にしてきたが、あの子だけは僕に苦しい一面を見せてくれることはなかった。(悪いと言ってるんじゃない) 今も大学で頑張っているらしい。 確かセンターリサーチの結果は、名古屋大のある学部全体で3番だったと記憶している。 「さすがに3番でした。」 彼女の模試の結果ではいつも1番だったので、3番になってるのを初めて見た。 「大丈夫だよね?」 「大丈夫でしょう。」 余裕で合格した…と思う。 砂利の上に、真顔で正座し続けるような勉強だった。 すごい子だった。 あの子も今年は4年生だ。 どうしてるんだろう。 ふと思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/02/13 12:58:24 AM
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