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カテゴリ:碁
鬼サガリ 白36のツケで左上隅へのワタリは断たれた。しかし37とオサエて、36の左にコウで粘る手を残しつつ左辺の白にからもうとする。 ここで黒39が大変だった。本来敗着となるべき手である。すぐさま白42にポン抜かれて大石全滅だった。これに対し白40が重大な逸機であり、天頂の敗着となった。 〈参考図1〉 〈参考図1〉の白1と抜けば、黒は中央で暴れるしかない。黒6は右辺分断をみてキキだが、白2にアテられてだめ。したがって黒2ぐらい。白3に黒4の出が存外うるさい。すぐワタリにいくのは黒6、8の眼形工作から10をキカされ、白連絡を断たれて破綻。 〈参考図2〉 では黒4に〈参考図2〉の白5をキカすのはどうか。これは黒6に石がくるので、白まずい。気合で7に切っても、黒は構わず8と突撃だ。白9に戻らざるを得ず、黒10となっては事件の気配濃厚である。 〈参考図3〉 しかし〈参考図3〉白3の愚形の妙手があった。黒4と切られ、白5に黒6とふんばられて難しそうだが、白7でよい。味が悪そうだが、黒8と切っての攻め合いは、どうしても白一手勝ちである。 これが正しいかわからないが、天頂はこの白7か3の手を見損じたのではないか。 実戦白40の逸機に救われた黒41が、勝利をたぐり寄せる一着となった。まさに鬼サガリである―。左辺ツギのワタリと、実戦の手段が見合いである。上級者にとってはごく基本的な筋に過ぎないが、魔婆斗クラスでは「鬼手」といってよいだろう。正確には「オリキリ」だろうが、ここは「鬼サガリ」と呼んだ方が感じがでている。 黒43とトビコみ、白46に黒47とこちらにワタる。これで白の眼形スペースが一気になくなる。黒53で白のダメヅマリが露呈した。白は攻め合いにいく前に、カナメの二子を助けないといけない。ダメヅマリが痛い。 黒55―。ここで白投了。最後は取りにこさせて逆襲するという「力のシノギ」で勝利をものにしたが、危ない場面も多かった。だがほとんど携帯アプリとしか打っていなかったブランクを考えるとまずまずといったところだろうか…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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