テーマ:団地めぐり(68)
カテゴリ:団地模型(千里竹見台)
千里竹見台団地の高層スターハウスの調査のつづき。
この高層スターハウスを模型化するにあたり、本や写真、図面やネット上の情報ではわからなかったことがありました。 それは、階高。 こればかりは実際に訪れてみるしかないと思っていました。 間取り図があれば立面の写真からでも各フロアの階高がだいたいわかります。 住戸立面を真正面から歪みの無いように撮影し、写真上の住戸1戸分の縦横の比率と、既知の間取り図の横寸法から階高を割り出します。 写真上の縦方向の長さは、窓のピッチ、つまり上の階の窓の下辺と下の階の窓の下辺の間隔からわかります。 ちなみに、北面のある2DK部分はスキップフロアになっており、3フロア毎に設けられる廊下階とその他の階で窓の様子が微妙に異なっています。 さらにいやらしいことに、柱の左右の窓の幅が微妙に異なっています。 細部を見れば見るほど複雑な部分を見つけてしまうこの設計は、作りがいがありそうです。 そして階高を知るもうひとつの方法、それは、実測・・・ 壁にへばりついて1階と2階の間の間隔を巻き尺で測定する・・・ことができれば良いのですが、今回はそう言う訳には行きません。 そこで、階段を使うことにしました。 南側の外階段、この階段で階高を測定します。 上の踊り場から下の踊り場までの高さを測定することができれば良いのですが、この団地の場合、階段はコンクリートに囲まれており、直接測定はできません。 そこで、階段1段分を測定します。 はい、20cm。 これに階段の段数を掛けると、階高が算出できます。 ちなみにこの竹見台団地の高層住棟は1階と2階が15段、4階以上は14段でした。 (3階部分は数えていなかったので不明) という訳で、階高は2800mm~3000mmということがわかりました。 ところで、スターハウスの模型化でいつも気になるところがこの各ウィングの中央に来る部分。 普通のスターハウスではここに三角形の階段室が設けられるのですが、この高層スターハウスではエレベーターホールになっています。 模型化には直接関係ないのですが、エレベーターフロアは3フロア分の吹き抜けになっています。 3フロア毎に設けられたエレベーターが停止する廊下階を基準に上に3階分、ただし一番植えは2階分の吹き抜けになっています。 南ウィングの住戸は各階に廊下のある1DK住戸なので、このエレベーターホールから階段で上がります。 東西の2DK部分はスキップフロアなので、エレベータを降りたら北側の廊下を通って階段で上がります。 ウィングの間にあった窓はこの吹き抜けの明かり窓になっており、廊下階とそれ以外の階で位置やデザインが異なります。 模型化する際はこの廊下階とその他の階の外観の差を表現することもポイントになります。 そして最上階のディテール。 意匠的な窓周りの板状の出っ張りや、地上からそびえた柱は屋上にちょっと飛び出た感じで処理されています。 上から見る機会が多い模型では、このあたりを忠実に再現する必要があります。 最後に、1DK部分の立面。 こちらはスキップフロアではなく、各フロアに廊下があります。 以上、竹見台団地の高層スターハウスの調査でした。 この調査結果を元に図面を作成する予定です。 つづく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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