つる植物の花々(1)
ノウゼンカズラ
夏はつる植物が、どんどん蔓を伸ばす、
どこまでも、どこまでも伸ばす。
他の木をよじ登り、
電信柱までよじ登り、
苔むす屋根にまでよじ登り
花を咲かせる。
ノウゼンカズラは
夏の暑さが真っ盛りの頃
花も満開となって、
橙色も鮮やかに
高い樹木から垂れて咲く。
炎天の焼けつくアスファルトに落下する花が
燃えるように地面を彩る。
(ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラが同居しているマキの木。)
大きなマキきの木によじ登って咲く、
今年は、梅雨が長く、日照時間不足のために
花つきが悪い。
背の高いマキの木に、ノウゼンカズラの
強烈なオレンジ色が
太陽の黄色に溶けて
朱赤に燃える夏がある。
今年の夏は、
天候の異常で、その朱赤のノウゼンカズラは、
遅く咲き始め、控えめに炎暑のなかで咲いている。
もう、かすかに風は秋の匂いがする
8月の終りに
忘れずに咲きにやってきた
ノウゼンカズラ
花の名一口メモ : ノウゼンカズラ
ノウゼンカズラ科のつる性落葉木。原産地、中国。
日本には、平安時代はじめの9世紀末に入っており、
「本草和名」(918年)には「乃宇世宇(のうせう)」の名で記載がある。
中国には干した花を凌霄花(のうぜんか)といい、
利尿や通径の薬に使う。
日本でも最初は薬用に栽培された。
近縁種にアメリカノウゼンカズラがある。
(アメリカノウゼンカズラ: By Danjose)
花筒が細く真紅で,
日本の古来からあるノウゼンカズラと異なる。