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日々草

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2012.12.18
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衆院選挙で大量の議席を獲得した
自民・公明の各党の支持基盤はどうなっている?

民主党党首の野田総理が自己の保身のためか何か知らないが、
訳もなく、この暮れの慌ただしい時に急に解散をして
あっという間に総選挙となり、
12月16日投開票が行われた。

予想通り、与党民主党は前回の衆院選で獲得した
308議席を一挙に54議席に減らした。
それに比べ
前回119議席に激減して野党に下った自民党は
選挙のマジック・小選挙区制に助けられ
一挙に294議席獲得した。

自民党が大きな議席を獲得したのは、
比較第一党が議席を独占できる小選挙区制によってである。
自民党は小選挙区でも前回の衆院選に比べて166万票減らし、
得票率は43パーセントなのに、議席占有率は79パーセントにもなる。
得票率に比べ2倍の議席を獲得している。

比例代表においても、
自民は219万票減らしており、
議席獲得数は前回とほぼ同じ57議席を獲得した(前回55)。

自民党とともに与党になる、
公明党も比例で94万票減らしている。
小選挙区では、
例のごとく姑息な手段、自民と維新に候補者を調整してもらい、
公明党を支援することで、
小選挙区の議席9を獲得した。

このように見るならば、
自民・公明の票田はジリジリと崩壊の危機を孕んで、
現在進行中ということは明らかである。

私の生まれ育った地域は、
半世紀以上にわたり自民党の強固な地盤である。
保守王国である。
豊かな穀倉地帯濃尾平野の中にある。
まさに、戦後の高度成長の歴史と共に、
農地をつぶし(百姓はにわか成金の兼業農家ばかり)、
軽工業から重工業へとモノつくりが変遷していく中で
大中小の工業がひしめいて、
安い労働力を提供して栄えてきた。
近年では、海外(ブラジルや東南アジア)からの移民が、
村や町に日常的に生活している。
ブラジル人たちがブラジルの子弟のため小学校さえ作っている。

農地を切り売りして、自らは安い労働力となり、
農業と工場の労働者の二足ワラジで、
この高度経済を支えて、
自らもにわか金持ちになり、
豪勢な屋敷をかまえて豪邸にくらした百姓たちは今、
高齢者となって、
大きな家のなかにひそっりとり残されている者あり、
様々な病に侵され、
近隣につぎつぎに建てられる介護施設に
入居して暮らすなど、
心豊かな最期を迎えようとしていない。

何よりも家族の崩壊は避けようもなく
老いたる者は悲惨な状態である。
彼らは、お金はたんまり持っている。
しかし、
その周辺の病院や介護住宅に
詰め込まれている老人たちは
寂しく、まさに地獄絵のなかにいる。

私が幼い時からあった精神病院など、
今、行き場のない認知症の高齢者が
収容しきれないほどに大勢入院している。
100名を超える認知症ばかりの老人が、
牢獄のように鉄格子、ドアーは施錠の部屋で、
すさまじい生活を余儀なくしている。
さらに、
この病院は、今、介護付きの大きなビルを建築中。

介護付きの住宅も、次々に建築中。
これらの建物の入居者は、
ほとんどが、お金を持っているが老後を介護する人がない。
自分の家は、都会では考えられないような
広い敷地に大きな豪邸を持っている。
それを閉めて空き家にして、
介護施設に入るのである。

半世紀以上にわたって、
自民党が創り上げてきた経済基盤のなかで
その繁栄のおこぼれを十分味わってきた人々の
人生の最期はかくのごときである。

必ずしも幸福な最期とはいえない。

この人々は、誰に言われなくとも、
自民党の地方議員の誰彼に組み込まれており、
国政選挙では、自動的に自民党に投票している。

(候補者の地盤は祖父母の代から代々受け継がれたもので、
半世紀以上同じ姓の候補者に入れている。)

自治会、婦人会、老人会、農協など
村のどこかの組織に組み込まれており、
その組織が一体となって自民党を支持している。
生活の一部として自民党への投票はあたりまえ。
とりわけ
今回の「民主党」の失政は、
「やっぱり民主党ではだめだ。誰がやっても政治は同じだ」
が彼らの投票行動に大きく影響している。

彼らは自分たちが歴史に翻弄されているのに、
そのようには見ていない。
戦争に行けと言われれば、お国のためと戦争に行き、
農地解放され、農地が手に入れば懸命に百姓をし、
高度経済成長の過程で、農地が高値で売れれば、
豪勢な邸宅を立て、外国旅行としゃれこんで、
朝から喫茶店に出向いてコーヒーとパン食べて
(百姓がありえないこと)、
昼食には、
国道沿いのフランチャイズ店のラーメンを食べ、
晩年は、病で暗澹たる苦しみの中にあっても
これは人間の「業」などと訳の分らぬこといい、
高額な医療費をどんどん使い、
介護保険もどんどん使い、
「自民党」のおかげでよき人生であったと、
最期を終えようとしている。

これが、
少ない票数でも1議席獲得できる
田舎の現実だ。
しかし、
この票田も深刻な崩壊の危機にあるが
中々しぶとく
そう簡単には消滅へとは向かわない。
でも、
選挙の票数から見ても
じりじりと
崩壊へと向かってはいる。

彼らは、「お上」の土木工事の恩恵を受けなければ
生きてこれなかった。
原発建設などその最たるモノ。

「強靭な国家」を作るなどと言い、
莫大な国費を投入しよとしている安倍政権。
この愚かしさの結論は、
田舎の高齢者たちの最期ですでに証明ずみ。

ニュース番組の街角インタビューなどで、
都会に住む若者が
安倍政権の経済政策によって
自分にも明るい未来があるように語っているのには驚く。
ただあるのは
増々不安定な雇用と低賃金競争だ。
これが
グローバリズムの行き着く先だ。

おこぼれが最も届かない若者が
自民党の経済政策に期待するとは情けない。

この半世紀以上続いた自民党票田の崩壊が
一気に社会の変革に向かうには
更なる粘り強い変革への意志やエネルギーが必要だ。

何よりも一人一人が
市民としての高い自覚、
社会形成者としての高い知識や能力を磨かなければ
選挙だけでは到底この現実を変えることはできない。

その意味でも教育は重要だ。
安倍自民党や維新の言っている教育システムでは
せいぜい
祖父母たちのように
「お上」に利用され使い捨てられる人材になるだけだ。

「日本国憲法」に書いてあるような人格、
国民としてどうあるべきか、
これほどすぐれた教科書はない。
日本国に住みながら、
日本国憲法の精神を守り発展させなくてもよい
などという政治を許してはならない。

ぜひ、みなさんも
「日本国憲法」を
自らの知性で深く読んでみてほしい。
そこに
未来の子供たちが育つべき人間像がある。






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最終更新日  2012.12.19 08:15:12
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Re:崩壊しようとしている自民の票田(12/18)   ボトックスマン さん
本質に触れた内容ですね。
小選挙区制のマジック。

特筆すべきは、この半世紀の歴史観か。
信仰のような自民党支持観がある。
それはいったいどこから出ているのか。

「ドン百姓根性」という死語があった。
お上に従順に従い生きることに、何らの疑問もない精神。
まだ日本では、「お上」を自民党と信じている「おこぼれ層」が多いのか。だが、この記事でその崩壊が指摘されている。それに納得している。
日本人って、格差社会を是とする過半の国民性もあるような気がする。米国のような格差社会ではない。まるで「鵺(ぬえ)」のような。どこからそうなるのだろうか、との疑問を持つ。政権交代というが、一度自民党以外にちょっとやらせてみた感覚。欧米の政権交代とは異次元のようだ。

記事の主張、素直に心にしみ込みます。 (2012.12.18 22:46:11)

ご指摘は、本質を突いていますね。   ボトックスマン さん
こんばんは。
鋭いご指摘と納得して拝見いたしました。
「自治会、婦人会、老人会、農協など
村のどこかの組織に組み込まれており、
その組織が一体となって自民党を支持している。
生活の一部として自民党への投票はあたりまえ。」

貴女様のご指摘で、改めて考えました。
自民党に投票して当たり前。この考え方(盲目的)は、いったい何処からくるのでしょうか。
いわゆる「どん百姓根性」とも言いたいものです。
自民党支持と反自民党に分かれる基軸があるように思えますが。
もしかしたら、日中戦争・太平洋戦争についてではないだろうか、と。
「しかたなく戦争をしたのだ。侵略戦争ではない」
「本当は、戦争に負けてはいないかも知れない」
「GHQから与えられた憲法だ」
このような思いをお持ちか否かが基軸だと。

経済政策とかは、どの政権だろうが常に試行するものでしょう。既得権益も含め。
つまり、2点に絞ると、
1.憲法改正(これは上述した戦争敗戦論の否定か。先の戦争は間違っていなかった――)

2.原発容認(ご指摘のように、既得権益+米国の意志を踏襲か)

自虐史観とか言って、事実を正視しない姿勢の根源も、上述の理由によるのではないだろうか。
そう思えてならない。貴方様のご指摘を理解すればするほど。 (2012.12.19 23:21:13)

Re:ご指摘は、本質を突いていますね。(12/18)   冨士子婆 さん
ボトックスマンさん。
-----ムラのしくみ。時代により形をかえながら、民を治めるシステムとして江戸時代からずっと続いている、隣組的な組織。その組織の一員であることによって、生活互助があるかわりに、長いものにまかれろ的な思考回路、何百年もかけて支配者によって作り上げられてきたもの。農村だけでななく、日本の会社組織もこの延長上にあり、高度成長のエネルギーになって、一丸となって突き進んだのは、この思想の基盤があったからこそではないでしょうか?原発建設も同じ線上にあり、「原発をゼロにしたら、日本経済はダメになる」という新たな神話がばらまかれており、本気でこれを信仰し始めた日本人がすでに多数ある。
ムラ社会では「自民党」に投票するのではなく、村の「○○さん」に投票することと同じ。「考えて投票行動」を起こすことは危険分子として、村八分にされる。こんなことが100年以上続いてきた。やっとここにきて、その状態は分解し始めた。底辺の古い勢力は悲惨な状態にある。混乱状態にある。ここから何をどの方向に変革していくか。それぞれに試されている。この社会の底辺で、老いも若きも自立して社会の形成者になり、社会に参加していくことなしに、政治は変わらないと益々思える。でも若いころ「遠吠え」に過ぎなかった事柄が「事実」としてはっきり見えてきた。歴史は確実に前に進んでいる。 (2012.12.20 10:15:42)

マインドコントロール   ボトックスマン さん
ご返信ありがとうございます。ご見識に大きく頷いております。日本列島全域でムラ社会となっていますね。このムラ社会、一見、ゲゼルシャフトかと思いましたが、その根底にはある種の信仰観が流れているものと思っています。ゲマインシャフトの上にゲゼルシャフトが形成されているとでも表現できるものが「日本全域のムラ社会」か。ゲマインの大本は、神道に由来する様々な風習とその根源の「伊勢神宮」か。国民大衆は知らずに、この千数百年もの長きにわたり、マインドコントロールにかかっているものと。縄文のアミニズムが弥生の神々に習合され、神道を形作っています。「弥生の神々」は、亡くなった人間が神として祭られています。権力者等は神となり知らずの内に信仰の対象となっています。その頂点に立つのが「オオキミ」。その中心神社が伊勢神宮。村の神社と言えども、その祭神の中に「伊勢神宮の神」が鎮座しています。さほどのことはない、と思っていましたが、「お上」に従順な一般大衆国民を観察していると、この点が気になっています。従順、盲目的に受け入れる心の準備ができている。そう思うのです。また日本の神仏信仰の大方は、現世利益的なものです。それは政治世界の範疇にある。つまり、信仰と政治が深く繋がっている感覚とでも言いたい。そこに徳川300年の身分制度社会で馴らされた国民性が、まだ残っているのでしょう。ご指摘の通り。
日本国民の過半が、容易くナショナリズムに走るのも理解できます。そうマインドコントロールに罹っている。こういう観点で、日本人像を突きつめてみたいと思っている最中です。 (2012.12.22 01:08:11)

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