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カテゴリ:国際結婚・国際同居の生活
夫はサンタモニカに、セミナーのために出かけていきました。今夜は遅くに帰ってくることでしょう。週末のみ、同行することになっていますが、来週は火曜日と木曜日にも一緒にいってあげることにしました。
夫が留守なので、今日はマムとダディーと私の3人での食事でした。簡単に済ませました。 夫の兄、クリスはマムたちや夫とはあまりうまく行っていません。その根源は、クリスの妻なのです。それは、そういう人と結婚してしまったクリスの責任ですが、でも、母であるマムはたいそう傷つき、父であるダディーは、長男と孫達を恋しく思い毎日祈っているそうです。 クリスの妻、クリスティーンがどういう奥さんなのか。 私は自分の結婚式のときにたったの一度あったきりで、はっきりとは知りません。そのときも、大変フレンドリーであかるい気さくな人だったことは覚えています。 クリスが水曜日ぐらいに、孫をつれてやってきます。 今日のディナーテーブルで、マムは長男クリスとクリスティーンの思い出を語りました。 クリスティーンとクリスは、付き合っている間もそれはそれは問題が耐えなかったそうです。何度となく、別れ話を繰り返しては引っ付き、それを繰り返してとうとう、結婚したそうです。 彼女がクリスを苦しめていたことは、マムが一番よく知っていました。だから、結婚は大反対だったのだそうです。彼女と結婚すれば、息子はもう私たちの息子ではなくなるだろう。。。そういうこともマムは分かっていたそうです。クリスティーンは常に、クリスをマムやダディー、クリスの友人達から遠ざけるように仕向け続けていました。クリスは多くの友人を失いました。 クリスは甘やかされて育ったように思われます。 長男だったクリスは、薬大学の学費も、そのあいだの生活費も、すべて仕送ってもらったそうです。でも、返済は一銭もしていません。そして、下の弟達二人はわずかの仕送りはもらったものの、アルバイトをしながら大学を出、大人になってから返済をしていったそうです。 クリスとクリスティーンは、薬剤師。収入はマムやダディーの年金よりもはるかにあるのですが、マムやダディーが孫達にも自分達にも、なにもしてくれない。と、電話で文句を言ったり、ヒステリックにありもしなかった事実をでっちあげ、電話口でマムやダディーがひどいことをクリスティーンに言っただとか、大きな声を出して、取り乱して電話をかけてくるようになりました。そんな事実はありません。クリスはクリスティーンが言うこと全てを、信じたのでしょう。そうやって、クリスはどんどんと、マムやダディーに怒りや憎しみを覚えながら遠ざかっていったのでした。 最後の電話はちょうど一年前ぐらいだったと思います。 クリスがダディーに電話をかけてきました。ダディーがどうしようもなくひどい父親だった。と、ダディーを罵倒していたそうです。電話口からマムにまで聞こえるくらいの大きな声が漏れてきたのだそうです。そして、自分の7歳になる長男の知的発育が少し遅いのは、ダディーのパーキンソン病の遺伝子があるからだと、ダディーを責めたそうです。これを聞いたマムはもう黙っていることが出来ず、クリスを怒り飛ばしたそうです。そしてクリスは最後に、捨てゼリフを言いました。 「もうあなたたちとは、金輪際、なんの関係ももたない!!」 マムも負けじといいました。 「あんたには、何の相続の権利もないものと思いなさい!!」 =================== あれから一年。 ついこのあいだ、ひょっこりクリスから電話がかかってきました。 ダディーはあの電話の後も、何度となくクリスの携帯に電話をかけて、メッセージを残したりしていたようでした。しばらく音沙汰はなかったのですが、クリスが電話をかけてきました。 ダディーは孫と息子に会いに、サンディエゴに電車にのって向かいました。でも、自宅へは行けませんでした。クリスティーンに内緒で、クリスが出かけてきたのかはわかりません。ダディーは駅の近くで皆と昼食を食べて、そのあと別れて電車にのって夜遅くに帰ってきました。 ================== 水曜日、クリスがやってきます。 どのツラ下げてやってくるのか見たいものですが、そんな態度はできません。でも、ムカつく野郎です。 マムは言いました。 私の大切な息子は、もう昔のクリスじゃない。死んじゃったも同然だは。。。 そして泣きました。 マム、それでも彼はあなたの息子。彼は生きて生活している。彼がどんな人間になるのかは、あとは彼の責任と選択。もうだれも、彼に指図することはできません。教えることも出来ません。彼自身がこのまま生き続けるのか、もしくはものすごく痛いレッスンを受けながら、勉強していくのかは神様が知っているのではないですか?(私は神様は信じませんが、マムはカソリッククリスチャンですから。。。) こんなことしか、私には言えませんでした。自分の息子を嫁に奪われた母の気持ちは、私には分からないからです。 人生で起こる、全ての出来事に意味がある。 これは、クリスチャン的な考え方です。 辛いことも悲しいことも、「神様!どうしてこんな仕打ちを私に。。。」と、崩れ落ちてしまいそうな絶望的な出来事にさえ、意味があるのならば、私たちは考えなければならないのでしょう。 死んでしまったクリスが、水曜日にやってきます。 何も起こらずに、平和に時間が過ぎてくれることを祈っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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