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上に示した系図は北条家のものです。名前に現れる「時」の字を水色で示しています。時一族?といった感があります。このように親から子、孫へと名前に同じ文字を使うことを「通字」と云います。また、兄弟で同じ文字を使うことを「系字」と云います。このような例は徳川将軍家の「家」など多くみられます。 これまで、名前は天命であるということを説いてきました。この親子、兄弟で文字を共有するという習慣は天命との関係で考えるとどうなるでしょう。同じ文字を共有した家族は、似たような天命を授けられていたということでしょうか。 昔は職業は代々受け継ぐ物でした。その傾向が大きく変わったのは戦後のことでしょう。通字・系字の習慣が薄れてきたのもその頃からだと思われます。 身分制度に縛られ、職業の自由も無かった時代には、親子代々似た役割を天から与えられていたのかもしれません。
「そもそもいかなる人にてましまし候ふぞ。名のらせたまへ。助けまゐらせん。」 「なんぢはたそ。」 「ものその者で候はねども、武蔵の国の住人、熊谷次郎直実。」 「さては、なんぢにあふては名のるまじいぞ。なんぢがためにはよい敵ぞ。 名のらずとも、首を取つて人に問へ。見知らうずるぞ。」 名を名乗れ! 名人、名主、名誉、名刺、名声、名案、名士、有名、無名 名を挙げる、名を汚す、名を残す、名実ともに、名折れ、名に恥じぬ、名を轟かす、名立たる 有名無実、名誉挽回 「名」に関わる言葉、言い回しの何と多いことでしょう。辞書で「名」で始まる言葉を検索したら408件ヒット(goo辞書)しました。名古屋など名前には関係なさそうなものもあるので実際は半分以下かもしれませんが、相当な数です。最初の文字以外に「名」を含む言葉も多いですからやはり「名」に関わる言葉は100個以上あるでしょう。これは古来より日本人が「名」を重視してきた現われといえるでしょう。 数ある「名」に関わる言葉の中で、おぢさんが特に気になるのは「名は体を表す」という言葉です。「名はその実体がどのような物かを示している」という意味ですが、 この言葉が真実ならば実体と合わない名前を持つ者は滅ばざるを得ないことになります。 名前が天命であるならば何を措いてもその実現に勤めなければなりません。名前は人生における最優先事項です。 はたから見て幸福に見えるかどうかはともかくとして、名前と人物が一致したとき人はその能力を最大限に発揮して生きる事ができるのだとおぢさんは思います。 つづく。
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Last updated
2015.05.09 20:27:19
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