おぢさんの覚え書き

安保法制に対する態度は単純に賛成派と反対派に分けられているがその構図は意外と複雑だ。米国への追随、領海侵犯の阻止失敗、靖国参拝見送りなどに不満を持つ安倍自民よりも右側の一部が反対に回ることは予想通りであるし、右にもいろいろあるようだ。

やっと、真正右翼が安保法案反対(オータムリーフの部屋)

賛成派を二つにグループ分けしてみる。防衛力強化・中国に対抗という考えから即座に賛成を決めた積極的賛成派と南シナ海や尖閣諸島に対する中国の脅威を前にして日米同盟の保全に努める他に方策がないという考えの消極的賛成派に分けてみたい。積極的賛成派は次世代や自民の大部分とその支持層、消極的賛成派は自民のリベラル系や公明とその支持層と一部無党派となるだろうか。

声には出さないが積極的賛成派の一部にとっては安保法制の国際協力重視、特に米国追従の姿勢はかなり不満があるものではないだろうか？
彼らにとっては米国は本来敵である。東京裁判、平和憲法、戦後の歴史教育に不満を持っている層と積極的賛成派はかなり重なっているように見える。彼らはなぜ敵を利するような法案に賛成しているかといえば彼らの最終的な目的が法案が目指しているという抑止力の強化ではないからだろう。もちろん尖閣など取られては話にならないというのもあるだろうが、彼らが米国追従という屈辱的な条件を飲んででもこの法案に賛成しているのは邪魔な平和憲法を無効化して自由に動かせる軍隊を持ちたいからであろう。自由に動かせる軍隊を持って何をするかはまた意見が分かれるだろうが、一部は中・韓・米への復讐を考えているのではないかとおぢさんは疑っている。そしてその過激な勢力は意外と大きいのではないかと思っている。
米への復讐を考えていて対米追従のはずがないと思うかもしれないが彼らにとっては自由に動かせる軍隊を持つことが出発点であり、安保法制はその通過点に過ぎないはずだ。

おぢさんは元々日本の防衛政策は米軍追従以外あり得ないし国際協力もした方が良いと思っている。しかし前述したように日本の保守を全く信用することができない。米国も世界中で無用な戦争を起こしているが、日本の保守に自衛隊を任せるくらいなら米軍に人員（志願者がいるかは別として）と金だけ提供した方がまだましだと思ってしまうのである。