カテゴリ:歴史/考古学/毛人
土器編年見直し試行の最終回は器台。見直し作業に使用している南蛇井増光寺のサンプルには器台は含まれていないので、上丹生屋敷山遺跡の4期から古墳時代前期後半に該当すると思われる住居から出土した13点の土器の分類を試みた。器台についても分類は独自のものを使用することとした。
※各階層はそれぞれ独立に設定する。 脚部形態は高坏に基本的に合わせた。但し、器台では考え難いような分類は省いた。高坏の分類「1.開脚度の低い縦長の脚部」は器台には恐らく無いので開けて置き、新たな分類が必要となったら使う予定。「背の高い大きな脚部」という分類があると良いかもしれないが保留。 上記分類による分類集計。 器台の形は変化に富んでいる。特に受け部の形は多様だ。かなり細分したが、直線的に開くものと、湾曲して開くものの区別や、今回の対象には見られなかったような形状のものもある。また頸部の窄まりの程度も気になる。必要があればさらに分類を追加する。 多様性の大きい受け部の分類の例を以下に示す。 今回「A.受け部が直線的に開き、受け部の深さが浅い(1.5cm以下)もの。」に分類されたのは左上に図示した1点のみであった。直線的というより湾曲しながら開いているが、受け部が屈曲しないものは深さによってA・B・Cいずれかに分類する。今回分類した13点の器台は恐らく受け部がやや深い傾向がある。受け部の深さが1.5cm以下のものはA分類という基準にしたが、深すぎるかもしれない。 この左上の器台の脚部の形は分類を設けておらず、今のところ分類不能「?」になっている。 少ないサンプルから見えるところでは、脚部に丸い孔を穿ち、受け部と脚部が貫通する器台が一般的であったようだ。 今回までで、分類が定まった。次回から、鏑川上中流域弥生末期~古墳前期土器編年見直し実作業に取り組む。 鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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