鹿島槍ヶ岳からのお便り

今日は沖縄慰霊の日。
沖縄を守備していた第32軍の司令官と副司令官が自決し、組織だった戦闘が終わった日とされる。
トップを失った32軍は、「最後の一兵まで戦え」という命令故に投降することもできず、南へと追い詰められていく。
それまで軍とともに行動していた学生たちも放り出されて頼るものがなくなり、自決や馬乗り攻撃の犠牲となる。
この司令官なしの沖縄戦は、8月の敗戦以後も続き、戦闘停止の条約が結ばれたのは実に9月になってからだという。


草取りをしていると夕方6時頃から、久方ぶりの夕焼けになった。
オレンジ色ではなく、優しいビンク色に染まった西の空は、これまた久しぶりの鹿島槍ヶ岳が見えた。


あの日の沖縄はどうだったのだろうか…


毛虫におびえながら草をとり、夕焼けを見ながら沖縄を思っていた私を、音が現実に引き戻した。

パチンパチン　　　草を刈る鎌が飛ばす土の音
ポトン　　　　　　柿の花が落ちる音
ドサッ　　　　　　蛹化間近かのマイマイガの幼虫が落ちる音（終齢幼虫はあまり落ちません。棒でかき落とすと、ドサッと落ちます）