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カテゴリ:アメリカ映画
≪疑わしきは罰せず≫
面白いです。ヘンリー・フォンダ主演の法廷劇ですが、舞台はほとんどが12人の陪審員の審議室で進んで行きます。 ニューヨークの法廷で殺人事件の審議が行われている。被告はスラム街に住む17歳の少年で、父親をナイフで殺した容疑だ。証拠や証言から有罪は確実かと思われたが、1人の陪審員が証拠に疑問を持ち無罪に投票した。 元々不良と呼ばれていた少年の起こした事件という事なども頭の中にあったのか、11人は一度目の投票で有罪に投票しますが、1人疑問を持ったヘンリー・フォンダが証拠の疑わしさを問います。 審議中早く帰りたい者、「あそこの人間はそうなんだ」と決め付けてかかる者、12人の人間のキャラクターがこの密室の中で化けの皮を剥がされるように明らかになっていきます。 差別や偏見、そういったものが有罪だという結論にさせたりもするのです。その辺は少年の弁護士が気付かなかったのか、と言えばそういう部分もあるのですが、弁護士にも有能な者とそうでない者がいる、と言う風に判断されれば、陪審員はそのあたりも突き詰めて考え討論しなくてはならないのです。自分もその場にいるような臨場感、緊迫感、高揚する感覚があり、観ていて時間があっという間に過ぎていきました。 夏の暑い陪審員の審議室、今のようにエアコンがあるわけでもなく、最初は扇風機もかかっていません。そんな中で具合の悪そうな者もいれば、高齢の者もいる。討論がエスカレートして言い争いも起こります。しかしそこで、 最初はたった一人だった無実と思っていた審判員が、白熱した論議の中、ひとり、又ひとりと無実の方へ考え方を変えていきます。 1人の人間の罪について多大な責任を持たなければならない陪審員制度。もしフォンダのような人があの中にいなかったら、少年は簡単に有罪になっていたかもしれません。 法廷を舞台にした映画は数多くありますが、ほとんど一つの部屋が舞台でこれほど引き込まれた物は珍しいです。 12 ANGRY MEN 1957年 監督:シドニー・ルメット 原作/脚色:レジナルド・ローズ 出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、ジャック・ウォーデン、エド・べグリー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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