黄色と緑色を染めるウルシ抽出の染料は、銅媒染で茶色を染めることができるが、実はピンクも染める染料だった(^^)
 木綿ハンカチのピンク染め
ウルシの抽出は基本、普通に水道水などｐH７で抽出して銅媒染を行うと絹も綿布も茶色に染まる。
しかし、ウルシ液はｐH４からｐH９までの液を使い分けできる染料でもある。
ｐH４酸性抽出（酢酸添加）染色時は炭酸カリウム添加でｐH7調整
左から絹のアルミ、銅、鉄媒染・綿のアルミ、銅、鉄媒染
ｐH7水道水の抽出（中性抽出）
ｐH9抽出（炭酸カリウム：アルカリ抽出）染色時は酢酸添加でｐH7調整
木綿ハンカチやレーヨンストールにピンクを染める
銅媒染で発色するレンガ色を薄めた状態で染めるとピンク色が染まる！
◆ウルシでピンクを染める方法
・ウルシの酸性水抽出（pH４）を炭酸カリウムで中和させ pH７にする
・ウルシのアルカリ水抽出（pH９）を酢酸で中和させ pH７にする
どちらかの液を使い木綿に染めて銅媒染を行う（絹は黄土色～赤褐色、ピンクにはならない）アルカリ剤は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのどちらも使用可能
工房では新規に染料を煮出す場合は、ｐH４～ｐH９まで3種類の抽出液を試験して染料の性質を確認する。染める場合は、できるだけ中性に近づけるのが良い。
ウルシの染料でピンクが染まること、そして耐光堅牢度も３級になることもあって（常ではないが）これは非常に楽しい発見だった♪しかし、このピンク色には欠点があって、汗の酸性、アルカリ性によって変色してしまう。（草木染めでは時々酸やアルカリで変色する色がある）
ウルシからピンク色を染めるという楽しみはあるのだが、少し実用性は低い。しかし、それでも染めたくなる・・・禁断のピンクとも言えるかな(^^;)
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