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カテゴリ:古典文学
昔、丹後の国に浦嶋というものが住んでおりました。その子に浦嶋太郎と申して、年の頃二十四五の男がおりました。太郎は朝から晩まで海に出ては魚を獲り、そうして両親を養っていました。 その日も釣りをしようと海に出かけて行きました。浦浦島島を渡り、あらゆる入江で釣りをし、貝を拾い、海藻を刈ったりしておりましたが、ゑしまが磯というところで亀をひとつ釣り上げました。 浦嶋太郎はこの亀に、 「お前たちは、命あるものの中でも鶴は千年、亀は万年といって寿命の長い生き物だ。ここですぐ殺してしまうのはかわいそうだから、助けてやろう。いつもこの恩を忘れるなよ」 と言って、この亀をもとの海に帰してやりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 9, 2017 12:29:51 AM
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