私訳・源氏物語
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プロフィール
佐久耶此花4989
「何事も、淡々と」。 06年から源氏物語の女性たちについて書き始めましたが、09年からは畏れ多くも現代語訳を始めてしまいました。病気を得てからは体調に波があるのですが、良い日にはなるべく書き進めたいと思っています。
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あるしめやかな夕方、 明石の上は明石女御に、おじい様の明石入道のこと、 養母・紫の上の深い愛情など「いと多く、聞え給ふ」多くの事を お話申し上げます。 明石女御は、涙ぐみながら聞いていらっしゃいます。
「『いとあはれ』とおぼえて、御額髪の、やうやう濡れゆく御そばめ、 あてになまめかし」
たいそう痛ましいこととお思いになり、 御額髪が涙に濡れていく横顔は、上品でうつくしいのです。
「かく、睦ましかるべき御前にも、常に打ち解けぬさまし給ひて、 わりなく物づゝみしたるさまなり」
実母として睦まじく、内輪のお話する時にさえも、明石の上は いつも打ち解けることをせず、 遠慮深いご様子を崩さないのでした。
明石中宮 -5- July 21, 2009
明石中宮 -4- July 20, 2009
明石中宮 -3- July 19, 2009
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