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テーマ:ささやかな幸せ(6742)
カテゴリ:家族の肖像
さて、かけがえのない「ふたり」の関係の最終編。 「お父さん、大好き」と言え! 「大好き!」 これが父親と娘が会うたびに交わす合言葉だった。 以下は、娘に捧げる懺悔録より、再編集しました。 ★娘の名は佑香。 よく裕香と書いて 「自分の娘の名は覚えといて!」 とよく怒られた。 いや、祐香だった? あれっ、どれが正しかったっけ? ブエノスアイレス国立美術館の逸品 「女の子」 ★[ユカゴリラ?」 「違ーう!」。 「ユカゴリラ?」「違うーーーう!」。 とうとう泣き出したお前。 お転婆で負けん気で、時には兄貴を泣かすお前を、 「ユカゴリラ」とからかうのが大好きな父親だった。 ★学芸会の練習を終えてぷりぷりして帰ってきたのは幼稚園の頃。 当日、カルメン役の子をにらみつけながら踊ってたから原因が判明。 負けず嫌いが主役になれなかったからなんだと、かみさんはくすくす。 でも最後に、口にくわえた薔薇を、人一倍大きな身振りで、 ほうりなげるしぐさは、ほんとうに可愛かったよ。 ★おまえは、時々、意外な遊び事を作り出して熱中した。 ある日、たくさんの紙切れに何か書き込んでるので、のぞきこんだら、 「肩叩き10分券」、「腰揉み5分券」、「買い物お使い券」。 大好きな両親に、一生懸命気持を示したかったのか。 たくさんの「親孝行券」を呉れたのに・・・・・ 一度も使わずに無くしてしまったのが今でも残念。 券が見つかったら今でも使えるかな? ★団体行動をさせよう。規律を守らせよう。いろんな夢を託して、 お前を「ガールスカウト」に入れたけど、帰るといつも怒ってた。 今思えば、お前は団体とか規制を嫌う天衣無縫派。 ひとりで、放っておかれても、きらきらした眼で 何かを見つけて熱中する子だった。 鳥取の森林公園へのスケッチ旅行に連れて行った時、 絵に熱中するために、大好きな渓流に足を浸させ、 水着がなかったので、 白いパンツひとつで泳がせた。 裸で嬉々として水遊びの姿は、 シックになった今の姿からは想像できない。 だんなさまに、いつ見せようかなと思案中・・。 ★ お前とお母さんが、山に行く父親と友達のために、「卵サンド」、 「ハムサンド」、「野菜サンド」と、たくさん作ってくれた。 あの美味しいサンドイッチは、一体誰が食べたのだろう? 実は、駅のプラットフォームに忘れてしまった! ★年頃になった頃の授業参観の時、教室のベランダに出て 美しくなったお前を記録に残そうと撮りまくった。 「ねえ、ねえ、あの変わったお父さん、誰のお父さん?」 と、お前に恥ずかしい思いをさせたよう。 「二度とお父さんは学校に来ないで!」 でも、性懲りもなく、またテニス大会にでかけて、 差し入れしたら、うれしそうに、笑ってたよ。 ★ボーイフレンドから電話がかかってきて、 「駅でゆかさんを待っていていいですか」って。 とかみさんが報告。 「あのお転婆娘にボーイフレンドがいる!」 とかみさんは、うれしそうだった。 たしか短大1年生、お転婆娘が一転して 服装に気を配るシックな少女に変わり始めた頃。 お前が式を挙げた、だんなさんが、どうもその電話の主のよう。 お前の花嫁姿を一番見たかったのは、お母さん。 それまでは生きていたいと何度も言っていた。 「癌になったのが自分で良かった。 子供たちや、お父さんでもなくて。」 亡くなる前にそう言っていたと、あとから聞いて知った。 いつか、機会があったら・・・・・・・・、 あまりに仲が良くて、お父さんは立ち入れなかった、 お前とお母さんとの「ふたり」の関係を何かで語ってね。 絵は 油絵 「天使」 デザイン・アート部門のプログランキング。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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