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水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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水彩画人 俊介

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カテゴリ:水彩画紀行

二百十日の初秋の風が吹くころ風の盆が幕を開ける。

毎年9月1日から3 日にかけて行われる、おわら風の盆。

その舞台となる越中八尾は珠玉のような美しい町

川風吹く丘の上にある。

川に沿う馬の背のような細長い町。

八尾


川風に追われて登れば描きたくなる坂道あまた。


坂道


丘の上には、風雅な石畳の通り。

奥座敷がのぞく格子戸の家がぎっしり連なる。



「打ち水や 格子戸越しに 朝の声」 


寺町

普段は静かな町だが、「風の盆」で一変、

各町が繰り出す流麗な「町流し」が始まる。


町流し


 春風吹こうが 秋風吹こうが
   おわらの恋風 身についてならない

   見送りましょうか 峠の茶屋まで
   人目がなければ あなたのへやまで




 唄は小粋な恋の唄、艶のある身振りがそれに符号する。

   私が好きなのは、このフレーズ


  八尾坂道 わかれて来れば
   露か時雨か  はらはらと
      
   
 もしや来るかと 窓押しあけて
      見れば立山  雪ばかり

 

昼間の踊りは20歳までの男女と言う厳しい掟がある。

笠を脱ぐと幼さな顔の乙女たちだった。

振り付け


乙女たちが踊り笠で顔を隠すと

急に大人びた艶を増す。


後ろ姿

踊り笠で顔を隠した姿ゆえに

華麗なしぐさがかもし出す不思議な大人の色香。

踊り笠


振り付けは、その昔江戸の名取に頼んだ由緒あるもので、

稲を刈ったりほおったりするしぐさとか。

踊り

特に「男踊り」「女踊り」の振り付けが素晴らしく、

指と腰のしなやかな動きに、うっとりと見とれてしまう。


青い踊り笠


「盆灯に 振りかえり見るや 踊り笠」 



昼間の町流しがひととおり終わる頃、

八尾の寺町は薄桃色の夕焼けに輝き始める。

これから、艶やかな夜の部が始まる。

ぼんぼりに灯が点ると、八尾の町は、新しい顔を見せる。


夜の闇を背景に、踊りの身振りは、一層美しさを増す。

ふたり


20歳の乙女がどうして、このような上品な艶やかさを表現できるのか。

風の盆の振り付けは、息を飲むほど。ほんとうに美しい。

ふたり


踊りを支えるのは糸を震わせる胡弓の弦と三味線。

胡弓の弾き手は、風の盆の欠かせない存在。

粋な男衆の着流しの弾き手が多いが、時には、

美しい弾き手が、しずしずと踊りに付き添う。


一緒に「町流し」と移動しながら、その小粋な姿を描いた。

胡弓2

   
 もしや来るかと 窓押しあけて

      見れば立山  雪ばかり


色紙

若林流の著名な胡弓奏者、若林美智子さんの

「町流し」のあでやかな姿。

胡弓



もうひとり、八尾では著名な方に出会った。

東京芸大教授で、洋画家 絹谷幸二さん。

偶然、となりを歩いておられて、TVで見覚えがあっておもわず挨拶、

表具屋さんまで案内したら、ビールをごちそうになった。



 風の盆の魅力は、音と踊りの絶妙はハーモニー。

胡弓や三味線を弾く人、唄う人、踊る人。

  
移動する3人を一緒に歩きながら描いた一枚。
 

三人三様

風の盆が最も美しいのは、深夜1時から3時、

町の人々が自分たちの為に踊り始める時。

町のあちこちで深夜の「町流し」が始まる。

この時は編み笠を外して、誰もが自由に踊り始める。

そり

美しい娘ふたりと踊る幸せそうなお母さん。

母娘

お母さんと楽しそうに踊っていた娘さん。


娘さん



深夜の「町流し」は明け方まで続いた。

暗い路地から路地へしずしずと踊る姿は幽遠。

盆灯に映える夜の踊り姿に息をのむような美しい瞬間があった。


ひとり





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Last updated  2008/08/26 02:05:52 AM
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