カテゴリ:いきもの(creatures)
我家にネコが来たのは 私が、まだ学生の頃だった。 (ネコが我家に来た話 その1 その2 その3 その4) 私の、ニューヨーク生活の殆ど、 特に社会人としての生活は ずっと、ネコと一緒だったことになる。 我家に来た後、すぐに連れて行った獣医には 腎臓が奇形なので、5年と持たないだろうと言われたけれど 毎日毎晩、ネコは床を走り、壁を走り 元気いっぱいに、15歳と、4分の3年生きて来た。 彼女は、私の毎日の食事の朋であり、 徹夜の朋であり、長風呂の朋であり、読書の朋であり テレビの動物番組を一緒に見る朋であり、 大切な写真のモデルでもあった。 反対に、私は彼女のトイレ掃除番であり、 食事当番であり、ベッド暖め役であり、下僕であった。 12月、異変を感じて獣医に連れて行った時には 若いインターンの先生に ハムスターごっこをしているのでは と言われたのだけれど やはり、それでは納得がいかなかったので 1月の終りに、院長先生がいる時を狙って もう一度獣医に連れて行った。 診察の結果、院長先生は深刻な顔をして言った。 「悪性骨肉腫で、かなり進行してます。 たぶん、あと1週間くらいで 調子が悪くなることが予想されるので そうしたら、痛み等がヒドくなる前に 眠らせてあげましょう。」 突然、後1週間と言われて 私にできることと言えば ネコの大好きなお刺身を買ってきて おなかいっぱい 食べさせてあげることだけだった。 普通のネコ缶は、 2日続けて、同じ物を出すと ぷいっとして、口をつけないというのに お刺身は、 毎日同じ物でも まったく飽きずに たらふく食べた。 もともと図に乗るタイプのネコだったので お刺身が食べれるようになると 俄然元気になり(もちろん処方された薬の影響もあったが) お刺身(とベビーフードとつみれと生クリーム)以外は すべて断固として拒否するようになり しょっちゅう冷蔵庫の前に行っては 『サシミ!サシミ!サシミ!!』 と要求する、サシミ大王様になってしまった。 さらに、 『こんなにうまいサシミが毎日食べられるのに 1週間だなんて、短すぎるぜ!』 とでも思ったのか 獣医さんの予測した1週間の 3倍を越える日にちを それなりに元気に、わがままいっぱい お刺身三昧で過ごした。 2011 Tabitha All rights reserved. ネコがいなくなってしまった今 お刺身代に財産を使い果たしてしまった たびささんの昼ご飯は しばらくの間、素うどんに決定している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 26, 2011 03:46:07 PM
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