ダン・シモンズ（著）「イリアム」★★★★★

2006.11.23

イリアム

「ローカス賞長篇部門受賞作」

■ストーリー
　数千年の未来のテラフォームされた火星。
　オリュンポス山に住む神話の神々は、イリアムの平原でホメロスの『イーリアス』さながらに展開するトロイア戦争に介入していた。

　地球でわずかに生き残っている人類は、あらゆる知識を失いながらも自動機械の下僕に支えられ享楽的な生活を送っていた。

　木星の衛星エウロパに住む半生物機械モラヴェックのマーンムートとイオのオルフらは、火星のオリュンポス山起こっている異常な量子擾乱の原因を調査する火星探検隊の一員として、火星へと向かった。

　人類、神々、半生物機械などが入り乱れる大河未来史！！！

■感想など・・。
　782ページの「巨大」な単行本。
　重～い、この本を読んでいたら腱鞘炎にかかりそう！

◆

　中身も凄い！
　「ハイペリオン」四部作のシモンズならではの超コテコテのＳＦであります。

　地球で細々と生息を続ける古典的人類。
　地球を去ったポスト・ヒューマン。
　火星には神話の神々やギリシアの英雄。
　２１世紀から神々にナノテクで復活させられた学者（人類）
　木星系で進化した、シェークスピアに沈溺しいる半生物機械。
等々、ぶっ飛んだ登場人物（？）達が繰り広げるドラマは圧巻！！！

◆

　ファックス・ポールら量子メダリオンなどでの「転送」や、ナノテク、遺伝子操作などＳＦ的な道具も満載！
　かといって、パンクではないから小生のようなロートルＳＦファンでも物語に入り込めます。

◆

　二部作の第一弾と言うことで、まだ先が読めません。
　それどころか、７００頁読んでも頭の中で物語が整理できないほどの圧倒的なパワーを持った巨編！！
　言葉で説明するのは、小生ごときには不可能！
　ケチャップにトンカツ・ソースを混ぜたぐらいに濃い！

◆

　読む前に筋トレしてから挑むべし！
　体力使いますよ～～～！