澳門の閃光(カストロールスカイラインGT-R)
何百何千の照明に浮き上がる市街地コースと人口の光の下で通常よりも低いトーンに映るF1マシンはなかなかに幻想的でよろしいものだが、市街地コースといえば伝統のモナコのほかもうひとつ挙げるとすれば東洋のラスベガスことマカオだろう。F3ドライバーの世界一決定戦と位置づけられるマカオGPはセナを筆頭にシューマッハ兄弟、ハッキネン、クルサードなそれこそ綺羅星の如き人材を輩出してきたわけだが、ルマンの結果でさえ何処吹く風のレース後進国じゃ、さらに草レース的扱いのマカオGPなどどのくらいの人間が知ってんだろか?更にそのグランプリのサポートレースとなれば、まず存在そのものがあることも知らんだろうし各国のツーリングカーが覇を競うそのレースで日本車がぶっちぎりで優勝したことも知らんだろ。 hpiレーシング1/43 カストロールスカイラインGT-R#23 長谷見昌弘未だに精力的にバリエーション展開するhpiのGT-Rだけに、何を買おうか次に何が出るかあれこれ迷ってる間にタイミングを逃すってパターンに陥るが、まあ、数量も随分出してるんで完売を焦ることもなく、マイペースで選べるのがいい。結果的に、こうして新品を半額以下で買えたりするわけだし(笑)1990年のマカオGPといえば、かのシューマッハとハッキネンのどつき合いによる決着が有名だが、その日の午前中に、まったく危なげなくぶっちぎりで各国の最強ツーリングカーを下したのがR32GT-R。デビューしたての車輛での(B級レースへの)海外遠征に日産本社もニスモも消極的だったがマカオGP国際化の立役者である富豪ティディ・イップとのしがらみ(イップがオーナーだったセオドールからF1デビューの話があった)から、ここをどうしても制覇したかったのかメーカーを口説き落として車輛を借り出し、スポンサーも自らかき集めたハセミサンは思惑通りにレースを制して、コースが見渡せるホテルのバルコニーでシャンパンなんぞを一杯やりながらグランプリをのんびり眺めてたとかなんとか。。。国内レースとはまったく異なるカラーリングのスカイラインはよく見ればあちこちに漢字ロゴが入って異国情緒満点でかっこよろし。日本のシーズンが終わってからの急作りのやっつけ仕事にしては、かなりいいセンス。今のGTマシンもこんな風に漢字のロゴつけたらかっちょいーんじゃないかと思ったりもするがそれは大陸で走ってるって前提がアタマにあるからで、フジやスズカで「カルソニック」とか「エプソン」とか日本語をデカデカつけて走ってるのはダッセーと感じるんだろうね、きっと(笑)