クリリンも虹の橋へ
9月29日からプーケットに来ているが、2、3日前にどこだったか猫のおしっこの匂いがした。猫がいるような場所ではないし、猫の姿も見かけないような所。クリリンのおしっこの匂いと同じだった。クリリンが会いに来たのかもしれない。犬のゴンスケの時もそうだったみたいに。ゴンスケが虹の橋へ行く3日くらい前に、山手線を降りた池袋駅のホームや会社を出た所ででゴンスケのにおいがした。普段鼻が悪いのにそういう時は敏感になるらしい。今日クリリンは虹の橋へ行ってしまった。生まれつき尿の排出機能に問題があり、母猫も見捨てた2年前の11月9日、朝から家の前の駐車場で泣き続けていた。手のひらに乗るような大きさだったけど、とても無視できない大きな声だったので、写真は保護した直後。栄養に問題はないようだけど、目やにがすごく、すぐに動物病院に連れて行ったら問題はないということだった。自慢の美猫のクリリンだけど、おしっこが大変だった。この育ち盛りの頃は走りながらおしっこをばらまくので、私は1日何度拭き掃除したことだろう。冬に向かう頃だったので、拭き掃除と洗濯で、生まれて初めてなくらい全部の指があかぎれになった。クリリンの兄猫のドラゴンと。ドラちゃんは半年くらい野良猫だったが、いつも家にご飯を食べに来ていて、台風の夜からうちの猫になった。血の繋がりがわかるのだろうか、クリリンの面倒をよく見てくれた。でも、クリリンと同じ時に生まれたダイちゃんがご飯を食べに来るようになると、2010年の1月15日以来、姿を消してしまった。ダイちゃんとクリリンは同じ時に生まれた兄妹だ。シャム猫のようなタコポンという姉猫もいたが、いつの間にか来なくなってしまった。そしてダイちゃんも、次に生まれたピーちゃんたちをうちに引き取ると、やはり帰ってこなくなってしまった。命をつなぐために、野良猫の厳しい掟があるのかもしれない。クリリンとメグは同じ父猫なのだろう、よく似ている。だから仲もいい。ピー、キキ、クー、メグの4匹は同じ時に生まれ、生後2ヶ月くらいでうちの猫になったが、自分たちを猫だと思っている猫だ。クリリンは自分のことを猫とわかっていたのだろうか。私のことを実の母と思っていたことは確かだ。来たばかりの頃からよく抱いていたので、私の肩にしがみつくと安心していた。クリリンのまぁるい体と毛の質感、私の耳とクリリンの耳をスリスリするのが私もクリリンも好きだった。最近はPCゲームにハマっている私をたしなめるように、デスクに上がってよく邪魔をしていた。あんまり夢中になってゲームをしているから、ゲームに嫉妬していたのかもしれない。この10月で2歳、相変わらずおしっこをばらまくけれど、1日の回数も減り、この夏には朝ケージから出すと、よく私のベッドで寝ていた。クリリンと一緒に寝られるようになったことが嬉しかったなぁ。このまま大人になればもっと落ち着くと思っていたのだけど。だめな子ほど可愛いというけれど、クリリンは特別な存在だった。それはいつも思っていた。私に何かメッセージを持ってきたエンジェル、そんな気がしていた。それがなにかわからないままにクリリンは逝ってしまった。ただひとつ思うのは、「癒す」という言葉。どのように関わっていくのか、具体的にはわからないけれど、それが必要なのだとクリリンが教えてくれている気がする。