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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:80年代洋楽
ハワード・ジョーンズだ。 "エレポップ"の代表選手として、80年代の数年間に人気を博したあの人である。 アルバム『かくれんぼ』と聞いて、「なつかし~」と頬をゆるませる方もいるだろう。 自分の場合、ハワード・ジョーンズといえば思い出すのが高校の時の同級生だ。 洋楽にはまるで興味のないヤツだったが、顔のつくりといい、逆立てたヘアー・スタイルといい、どっからどうみても"ハワード・ジョーンズ"な男がいたなぁ。 当初は「現役で東大に受かる」とか言っていたが、最終的には一浪して駒沢大学に行ったというアイツだ。 大仲、元気か~? '55年生まれ、イギリスはサザンプトン出身であるハワードは、'83年にシングル「New Song」でデビュー。 それまでプログレやパンクなどをやっていたという彼は、デビュー時にはすでに28歳になっていたという遅咲き型である。 彼の作る親しみやすいメロディとお手軽エレポップ・サウンドは時代の波にのり、1stアルバム『Human's Lib(かくれんぼ)』からは先述の「New Song」をはじめとして、「What Is Love」、「Pearl In The Shell」、「Hide And Seek」などが次々とイギリスでヒットする。 シンセをひとりで演奏するハワードと、パントマイムのダンサー(これもひとり)だけで繰り広げられるというステージも話題を呼んだ。 '85年発表の2nd『Dream Into Action』はアメリカでも好セールスを記録し、そこからは「Things Can Only Get Better」(全米5位、全英6位)、「Life In One Day」(米19位、英14位)というヒットも生まれている。 「No One Is To Blame(悲しき願い)」は、その2ndアルバムに収められていた曲である。 オリジナルは、ハワードの歌とキーボードを中心とした非常にシンプルなサウンドだったが、それにリミックスを施してシングル発売されることとなった。 プロデュースをまかされたのはフィル・コリンズである。 イントロのチャカポコしたビートからしてフィル色全開。 そこにオルゴールのようなシンセが重なるとこなどは、なかなかにシミる。 メロディはやさしくて切ない。ハワードのジェントルな歌声、やわらかなピアノにも好感が持てる。 そして、ツー・コーラス目からはフィルのタイトなドラムとコーラスがおもいっきり重なり、"With Phil Collins"状態に(笑 この辺は好みが分かれる所だろうが、個人的には"許せる範囲"のプロデュースだし、シングル用に加工するならこれで正解だと思う。 このシングル・バージョンは、ビルボードで最高4位を記録し、ハワードにとってアメリカでの最大のヒット曲となった。 また、米Radio&Record誌では1位を記録したため、同誌を基準とした「ベストヒットUSA」では"This Week's No.1"(←小林克也の声)としてこの曲が紹介されていた。 当時それを見ていた僕は、「おお!ハワード1位になりやがった!」と驚いたことを覚えている。 が、彼の全盛期はここまでだった。 その後に出したシングル「You Know I Love You」はなかなかの佳曲だったが、a~haの「Take On Me」そっくりのPVが災いしたのか(笑)、思ったほどの成績は残せなかった(米17位、英43位)。 アリフ・マーディンがプロデュースした3rd『One To One』(上ジャケット)もアメリカでのセールスは惨敗。同時に、本国イギリスでの人気にも陰りが見えはじめていた。 '89年に出した4th『Cross That Line』からは「Everlasting Love」(全米12位)というヒットも生まれているものの、その頃にはすでに"過去の人"という印象になってしまっていた。 そして'93年に出したベスト盤を最後にハワードはメジャー契約を失ってしまい、そのまま現在にいたる(以降の作品は自主レーベルから)。 私論を言うなら、この人の本質は"エレポップ"である以上に"優れたシンガーソングライター"だと思う。 だが、その部分を強調しようとした3rd以降、それと反比例するように人気が低迷していったのは皮肉だった。 ハワード・ジョーンズというと、ピコピコしたシンセが愛らしい1stが代表作というイメージがあり、それはそれで間違ってないと思う。 だが、「No One Is To Blame」のシングル・バージョンが入っている3rd『One To One』も捨てがたい一枚だし、4th『Cross That Line』もスルメ的味わいを持った名盤としてオススメしたいところだ。 もちろん1stかベスト盤から入るのが無難だけどね。近年CMでつかわれた「New Song」なんかは若い人も知ってるだろうし。 とりあえず、「No One Is To Blame」はホロリとくる名曲。 つーコトでここをクリックだ。 大仲ぁ、元気か~? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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確か。 リンゴのバンドにも在籍してたような???
はっきり覚えているのは ロジャー・ホッジソン(スーパートランプ)が、鍵盤を弾き、自分のヒット曲を 歌っていたことです。 酔っ払って、BS?を見ていたので、はっきり 覚えていませんが。 (2008.07.30 09:21:38)
よさこい鬼工房 Jackieさんどうもです。
>確か。 リンゴのバンドにも在籍してたような??? >はっきり覚えているのは ロジャー・ホッジソン(スーパートランプ)が、鍵盤を弾き、自分のヒット曲を 歌っていたことです。 ----2001年の"オールスター・バンド"ツアーに参加していますね。 ほかのメンバーは、上でも書かれてるロジャー・ホジソン、イアン・ハンター、グレッグ・レイク、シーラEなどですね。 >酔っ払って、BS?を見ていたので、はっきり 覚えていませんが。 -----BSでやってたのですか。見てないや。。。 リンゴのオールスター・バンドはオールド・ロックファンの心をくすぐるメンツが多くて、あなどれませんよね。 ではでは。 (2008.07.31 02:36:39)
jboyひろさんどうもです。
>1stアルバムはやはり印象的ですね。 ---やはり1stですか。 2ndはもちろん、3rd、4thもまた違った良さがありますので、よろしかったらどうぞ。 >私も朝起きたらいつもハワードみたいな頭になっていました。 -----ひろさんも和製ハワードでしたか(笑 トウモロコシ・カットも80'sを感じさせますね。 TBどうもでした。 ではでは。 (2008.07.31 23:54:49)
私、エレポップ系大好きですが、草創期のアーティストのほとんどが、私がエレポップにはまった頃には既にアルバムを3~4枚出しており、リアルタイムでデビューして入れ込んだのは実はこの人くらいなんです。(とかいいつつ、トーマス・ドルビー、ニック・カーショウ、PSBもそうだけど)
なので特別な思い入れで律儀に聴き続けているうちにいつしか、ポム・スフレさんもご指摘の通り、この人の資質ってエレポップにとらわれる必要はないなと感じました。 一番好きなアルバムはうちの本館で取り上げてるように4th『Cross That Line』です。アレは今聴いてもしみじみとイイ! その時来日したので観に行ったんですが、キーボードトリオの編成でものすごく良かったんですよ。(ベースは弟) 特に最後にオルガンを傾けてゆらしながら熱唱した「ギミ・サム・ラヴィン」が最高でした(笑) (2008.08.01 03:05:55)
PeTeRさんどうもです。
>リアルタイムでデビューして入れ込んだのは実はこの人くらいなんです。(とかいいつつ、トーマス・ドルビー、ニック・カーショウ、PSBもそうだけど) ----リアルタイムでデビューから見守っていたとなると、思い入れはダンチで違ってきますよねぇ。 それにしても、上に挙がってるアーティストで今も現役感があるのはPSBくらいか。。。 >なので特別な思い入れで律儀に聴き続けているうちにいつしか、ポム・スフレさんもご指摘の通り、この人の資質ってエレポップにとらわれる必要はないなと感じました。 ---1stや2ndの成功も基本的には"曲のよさ"があってのものでしたしね。 でも世間がハワードに求めるものは"エレポップ"なんでしょうね。 >一番好きなアルバムはうちの本館で取り上げてるように4th『Cross That Line』です。アレは今聴いてもしみじみとイイ! ----確かに。一聴すると地味に感じられるところがポイントですね(売れなかった原因でもあるけどw >特に最後にオルガンを傾けてゆらしながら熱唱した「ギミ・サム・ラヴィン」が最高でした(笑) -----キース・エマーソンみたいですね(笑 熱唱した「ギミ・サム・ラヴィン」というのは、ハワードの曲ではないですよね?(スティーヴ・ウィンウッドの曲?) ではでは。 (2008.08.01 03:51:34)
>ハワードの曲ではないですよね?(スティーヴ・ウィンウッドの曲?)
そうなんですよ~。(爆) ハモンドゆらしたのは、彼なりになりきりモードだったんだと思います。かわいいです。 一番盛り上がった瞬間が人様の曲ってとこが、この人の何かを象徴してる感じ。(?) (2008.08.01 07:35:31)
PeTeRさんどうもです。
>>ハワードの曲ではないですよね?(スティーヴ・ウィンウッドの曲?) >そうなんですよ~。(爆) ----まさかと思って書いたのですが、ホントにそうだったんですか~(爆 どういうアレンジでやったのかは知りませんが、その選曲はハワードのイメージと違うような。。。 >ハモンドゆらしたのは、彼なりになりきりモードだったんだと思います。かわいいです。 >一番盛り上がった瞬間が人様の曲ってとこが、この人の何かを象徴してる感じ。(?) -----「これが本当のオレなんだぁっっ!!」 って感じで演奏してたんですかね?(笑 ではでは。 (2008.08.02 02:45:44) |