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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:70年代洋楽
という広告のもとに結成されたシルヴァーヘッドは、70年代グラム・ロック・ムーヴメントの中で売り出されたバンドだった。 ヴォーカルのマイケル・デ・バレスはフランス公爵を父に持つ男で、もともとは演劇を志向していたという。'67年の映画『いつも心に太陽を』ではチョイ役で出演していたりもする。 ミュージカルに出演していた彼は、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェッバーの紹介で、EMI傘下のパープル・レコードと契約する。そこは文字通りディープ・パープルが設立したレーベルだった。 そして上記の広告をうってメンバーをかき集めたデバレスは、シルヴァー・ヘッドとしてデビューする。'72年のことだった。 妖艶な"グラム・ロック・バンド"として売り出された彼らは当時、本国イギリスよりも日本で人気が高かったらしい。1stアルバム『Silverhead』には「恐るべきシルヴァーヘッド」なんて邦題をつけられていた(笑 が、R&Bをベースにした楽曲、ツイン・ギターによるストレートなロック・サウンドは、むしろローリング・ストーンズやエアロスミスに近い。 ほぼ同期であるニューヨーク・ドールズと比較されることも多く、"西のドールズ、東のシルヴァーヘッド"と言われることもあったようだ。 「Hello New York」は、2ndアルバム『16 And Saveged』('73年、上ジャケット)のオープニングを飾るナンバーである。 作者はマイケル本人。 シングル・カットされて小ヒットも記録した、彼らの代表作だ。 ストレートでいてクールな香りのするビートは、どこか挑発的。 のっけから炸裂するマイケルの猥雑な歌声にゾクゾクする。そのエネルギッシュなシャウトはスティーヴ・マリオットにも迫るものだ。 ギターの音はハード&ガレージでこれまた刺激的。T・レックスを粗雑にしたようなリフが、なんだか耳に残る。 ベース・ラインもさりげなくキャッチーですな。 サックスを吹いているのは、元キング・クリムゾンにして後にフォリナーを結成するイアン・マクドナルドだ。そういえばこの人、T・レックスの「Get It On」でも演奏していましたね^^ シンプル&ワイルド、毒々しくてB級っぽさもただようこの曲は、70年代ロックの名作のひとつだと思うのですがどうでしょう? 古臭さもあるにはあるが、ここにつまったエネルギーはそんなものを軽く吹き飛ばしている。 お若いロック・ファンにもぜひぜひ、な一曲です この後シルバーヘッドは'74年に来日もするが、その直後にあっさり解散。 残されたライヴ・アルバム('75年)は日本でのみの発売だった。 その他にも、ブートまがいのライヴ・アルバムが日本で数枚発売されているというのも興味深い。 マイケル・デ・バレスはその後、元イエスのトニー・ケイと一緒にDETECTIVEを結成。 Led Zeppelinのスワン・レーベルから発売された作品は、マニアックなファンから高い評価を得ている。 また、'85年にはPower Stationにヴォーカリストとして加入。 ロバート・パーマーの後釜として参加したマイケルは、同年LIve Aidのステージにも立ち、それまでのファンを驚かせた。 近年は役者として活動中のようだ。 アルバム『16 And Saveged』は、シブくてカッコいいR&RがつまったB級風味の名盤。 興味のある方は御一聴のほどを。 つーコトでここをクリックだ。 Hello New York! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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