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加納朋子さんが白血病の闘病を自ら綴った「無菌病棟より愛をこめて」を読みました。
この本が書かれたという事は、加納さんは少なくとも病気から生還したという事。 だから安心して読み始めたけれど、その壮絶さにこちらが辛くなってしまいました。 でも、よくなっていつか闘病記書こうという思いが、加納さんを支えていたのでは。 それにしても加納さんは4人兄弟で、よい条件で適合したので本当に幸運だと思う。 少子化そして人口減少で、兄妹も家族も少なくないのが普通になってるから。 白血病というと骨髄移植が進んでいて、それさえすれば治るような気がしていた。 手術するわけでもなく点滴するんだから、なんか楽そうだな、なんてイメージで。 ほんとごめんなさい、こんなに辛いとは知りませんでした、と本に頭を下げたくなる。 わたしなら、無菌病棟を破って撤退してしまうかも、と思うくらいの凄まじさ。 本当に、ぎりぎりのところで命が繋がったのだな、と厳粛な気持ちになる。 患者としての率直な心情と、作家として冷静に観察し記録する視点と、 その両方が合わさった貴重な闘病記である以上に、やわらかな言葉の端々に 加納さんのお人柄がしのばれる、素晴らしい一冊だと思います。
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Last updated
2012年05月17日 12時35分47秒
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