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カテゴリ:雑感
健康に不安がない人はあまりいないだろう。そのため世の中に「健康に良い」という情報はあふれているし、次々と更新されている。
かつてフジテレビ系列で「あるある大事典」という番組があった。何かが健康に良いとかダイエットに良いとか番組が取り上げるたびに商品が売り切れるという異常事態が起きた。 食品以外にもマイナスイオンが身体に良いというのもこの番組が言い出したこと。鉱石のトルマリンや観葉植物のサンスベリアがマイナスイオンを出すなどと紹介し、宝石的価値のない安物のトルマリンが高値で売れたり、サンスベリアが欠品になったりした。そんなことはあり得ない(そもそもマイナスイオンとは何かも明らかにされていない)のだが、まともに批判する人も多くはなく、今でも滝のそばなどに行くと「マイナスイオンがたっぷりで気持ちいい」などと使われたりする。 食品の話に戻るが、そもそも特定の食品が健康に良いということなどありえないので、ほぼ全部が嘘だと推定できる。 ある食品が健康に良いと注目されて爆発的に売れる状況を、群馬大の高橋久仁子名誉教授はフードファディズムと批判したが、専門家の多くは、こんな現象があまりにアホらしいのでコメントしない。 そのせいでもあると思うのだが、件の番組のインチキが露呈して打ち切りになった後も、テレビ番組が健康に良いと取り上げるたびに、その商品がバカ売れするという現象は起きている。 ある食品が特定の人の健康のために良い、ということはあるだろう。しかし、栄養状態は人によって違うし、血圧が高い人もいれば低い人もいる。血糖値が高い人もいれば低い人もいる。皮膚や腸内の常在細菌などは千差万別だろう。それを無視して、健康に良いなどと言えるわけがない。 今どき「ヘルシー」と言えば低カロリーの食品を示すことが多い。しかし明らかに痩せすぎで栄養失調気味と見える人までが、それをありがたがる現実があることに、僕はぞっとする。 「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.13 12:48:29
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