「毎年この季節が恐かった」
飲食店をやっていた頃はこの季節になるとすごく忙しかったし暇なのが恐かった。フランス料理をやっていた時はクリスマス・シーズンともなるとよそ行きに着飾ったお客様を厳粛に迎える我々も緊張感を持って接客にあたっていた。キッチンとうまく連携が取れないとホールの人間は大変だった。例えば、オーヴンから出したばかりの料理皿を「料理は熱いうちに」と持って行かせようとする。引き皿があるならまだしも素手とトーションを使ってやるには苦行だった。当たり前だがお客様の食べるタイミングを計ってキッチンへ「○○テーブル、次お願いします」と声を掛けるのだがそのタイミングがキッチンと呼吸が合わないとホールはどやしつけられた。レストランはキッチンばかりが大変のように思われがちだがホールの仕事も実は大変なのだ。また、居酒屋をやっていた時のことだ。クリスマス・シーズンに動く客層は恋人のいない人、若しくはお相手に会えない人(淋しい人)である。バブルがはじけた頃はクリスマス付近は暇だった。社会情勢が落ち着くとお相手のいない方々はグループ単位で行動をした。クリスマス会というより忘年会や年の瀬パーティーの雰囲気だ。その形態は変わってもやはり居酒屋でもどうやって予約を取ろうかと必死になった。一年を通して最も予約の取れる時季だからだ。現在飲食業(接客業)に携わっている方々へ、ごくろうさまです。がんばってください。 にほんブログ村