8月に読んだ本
上段左より『ほおずき地獄』近藤史恵 「猿若町捕物帳」シリーズの第二弾。吉原に出る幽霊は縮緬細工のほおずきを残していきます。事件を追うのは女性が苦手な同心・玉島千蔭。短いけれど、印象に残る時代ものです。『秋期限定栗きんとん事件(下)』米澤穂信 小鳩君には彼女が、小佐内さんには彼氏ができるのですが……。タイトルは甘いけれど、あまりに苦い味わいの作品でした。『ショコラティエの勲章』上田早夕里 老舗の和菓子店に勤める絢部あかりとショコラティエの長峰が登場する、日常の謎系ミステリ。甘い話ばかりではありませんが、お菓子の作り手の想いや誇りが伝わってきます。 『ブルーベリー・マフィンは復讐する』ジョアン・フルーク/上條ひろみお菓子探偵ハンナシリーズの第3作目。また事件に首をつっこむハンナですが、自分の店の厨房で死体を発見し、友人が容疑者となると、じっとしているわけにはいきませんね。今回、お菓子だけでなく、おいしそうな料理も登場します。『黒影の館』篠田真由美 これまでとは雰囲気が違っていて、ミステリ色も薄いのですが、京介の過去がわかるので、目が離せません。次でいよいよ最後です。下段左より『風が吹いたら桶屋がもうかる 』井上夢人中途半端な超能力を持つヨースケと、ガチガチの論理的推理を繰り出すイッカクと、彼女ができないシュンペイのほのぼのユーモアミステリ。愛すべきワンパターンです。『〈本の姫〉は謳う(1)』多崎礼 『煌夜祭』に続き、友人のすすめで読みました。独特の世界設定が受け入れられたら、どんどん引き込まれていきます。次の巻がとても楽しみです。