イルカみたいに生きてみよう～心の力を抜いて楽しく生きていきませんか

「今月いっぱいに仕上げるというのは、われわれ２人の共通認識でしたよね」
なんて、ベテラン編集者に脅される。
確かにその通り。
数ヵ月前に、「11月いっぱいということでどうでしょう」とやさしい声で言われて、
「そのくらいには大丈夫でしょう」と胸を張って答えた。

あのころはそう思ったけど、
予定通りにいかないのが世の中だろ！

そう言いたかったが、
ああ、この気の弱さ。
ああ、正直者！
ぼくには駆け引きというものができない。
「はい、がんばります」
と小さな声で返答した。

おいおいできるのかよ。
という心の声。
今の進捗状態を考えたら厳しいよな。

でも、
やってできないことはないさ。
強気の自分も３％くらいはある。

あせっても仕方ない。
まずは飲んで寝よう。
明日からやろう。

しかし、やっぱりあせっている。
夜中に目が覚めた。

フェイスブックを開く。
あせっているときあれを見るのは良くない。
みんなばりばりがんばっている。
自分だけが取り残されている気分になってしまう。

今月いっぱいだとあと10日。
10日あればかなりのことができると、
思考を変える。

やれる、やれる、やれる。

そう言えば去年の今頃、
若い駆け出しの編集者から仕事を頼まれて、
何も言ってこないのをいいことに何もしないでいたら、
しばらくぶりに電話をしてきて、
「えーっ、何も言わなくても進めてくださっていると思っていました。何とかしてくださいよ」
と泣きつかれてしまった。

あのときのぼくは頼もしかった。

「よし、10日で仕上げてやる」
と、大見得を切って、本当に原稿250枚をゼロから書き上げたものな。
寝不足にもならずに。

焼酎のお湯割りを少し飲んだら落ち着いてきた。

もう少しだけ寝よう。